釣三丸スタンダード開発秘話(4)


今回は、フックセットについて。
2本の鈎をフックリーダーで両端に繋(つな)ぎ、
折り返して輪っかを作る。
ただ、それだけのことだが、これがなかなか難しい。
満足のいく釣果を得る為には、
もっとも重要なタイラバの部品なので、気を抜けない。

リーダーはしばらく、太めのPEを使っていたが、
柔らか過ぎて掛かりがあまりよくなかった。
そこで、定番のシーハンターを使うようになった。
PEに比べると硬くて張りがあるところが良い。
現在は、8号を使い続けている。

長さは、長い方の鈎が、
スカートの長さと同じになるようにしている。
短過ぎず、長過ぎず。
したがって、使うリーダーの長さは、
作りやすさも考えて、24cmになった。

鈎は、ご存知のように、チヌ鈎の5号である。
細過ぎて心もとないので、6号を使っていたこともあるが、
有意な割合で、鈎掛かりの確率が下がることが分かった。
鈎先の鋭さもさることながら、
軸が太くなると、マダイの身に貫通しづらくなることに気が付いた。

チヌ鈎は、ひねりが入っている分だけ、掛かりが良い。
また、ひねりによって、すっぽ抜けも少なくなる。

警戒心の強いチヌ専用の鈎なので、強度に問題がある。
リールのドラグ機能を駆使して、
90cm級の超大型でも取り込めるようになった。
これは、経験を重ねるしかない。

結び目を作る際には、
鈎が互い違いになるようにする。
指でしっかりと鈎を抑えながら、ゆっくりと締める。
鈎一本分の段差をつけるのは当然だが、
鈎の向きを正反対にすることで、
コンタクト率がやや上がる。

鈎は、内掛け本結びでリーダーに付けている。
以前は、三度巻いて接着剤で補強していたが、
四度巻いて、じわじわ締め上げるという方法で、
補強しなくても、鈎のすっぽ抜けは無くなった。

以上が、釣三丸流フックセットの作り方だが、
相反する、鈎がごつくて、リーダーが柔らかくて、
二本の鈎に段差がなくて向きが同じ。
といったフックセットを使えば、
コンタクト率は、三割は下がるだろう。

一度の釣行で、平均3セット使う。
おそらく、これまでに二千セットは作っているだろう。
使い古しの鈎は持ち帰って、
リーダーをカットして溜めている。
数千本の鈎の山は、壮観な眺めである。




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