マダイがまず食わないであろうという条件


出船10回に付き、1、2度は、
本命ボウズということがある。
そういう日の条件も分かっている。
分かっていれば出港をためらうのだが、
こればかりは、船を浮かべてみないと分からない。

潮の流れと風の向きが噛み合わないと釣れない。
ポイントごとに、釣れやすい風の方角がある。
私のフィールドでは、南風がよくない。
本命ボウズの日の半数以上が、この南風だった。

南風に乗って船が流れると、
タイラバの泳ぐ方向が不自然になるのだろう。
天然ベイトとの差があると、
マダイは当然のごとく、警戒する。
他魚や、小型は釣れるのだが...。

前後したが、第一の条件は水温が低いこと。
あるいは、水温が低下したという状況。
下がっても、16℃あれば大丈夫だ。
真夏に30℃を超える時も食いは渋い。
13℃以下になると捕食しなくなる。

もう一つ、決定的なのは、
船が流れないこと。
同じマダイが三度、タイラバを見てしまうと、
警戒心というより、目に入らなくなる。
常に船が動いて、別のマダイの視界に入ることが大事だ。

30巻きのリトリーブの場合、
巻いて落として着底するのに約1分間かかるだろう。
船流速度が1.8kmでは、1分間で30m移動するので、
ほぼ確実に、同じマダイが同じタイラバを見ることはない。

動きが遅ければ、多めに巻き、
速ければ少なめに巻くのがセオリーである。
とにかく、マダイの目線を切ることを重視しよう。

タイラバが真下に落ちている時も、食いは渋い。
天然ベイトは真っ直ぐ上に逃げて行くことはないので、
そのように泳いでいるタイラバは警戒してしまう。
自然により近い泳ぎをタイラバがしていることが大切である。

釣り人の側の問題もある。

大型を手に入れたいのなら、
派手なタイラバは避けた方がいい。
特に賢い大ダイは、天然ベイトとは、
大きくかけ離れているような、
目立ちすぎるタイラバには警戒心を抱くだろう。

太い鈎は、アタリはあっても鈎掛かりしないことが多い。
口回りの柔らかい部分に貫通しなければ、
せっかく掛かっても、ニアコンタクトで終わる場合が多々ある。

最後に、釣り人の集中力。
「気」を海底のタイラバに送ると、
タイラバが活き活きと動いているように見える。
手に伝わる魚からの信号を、
繊細に素早くキャッチするためにも、
リトリーブの際には集中している必要がある。
アタリがあると、思わず手を止めてしまったりもする。

まとめよう。
水温が低下して15℃以下になっていて、
船が動かず、ラインはバーチカル。
風向きがポイントには不向きな状況。
派手なタイラバと太い鈎を使い、
ぼーっとハンドルを回している状態。

これらが合わさると、
ほぼ完ぺきに本命ボウズとなるだろう。




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