前回、前々回と連続で良型がコンタクトした。 島は産卵期が近づいていて、
2尾の内、1尾には、婚姻色があった。
連続3尾目の良型以上を目指していざ、出港! 沖へ出たまではいいが、 予想に反して4mの風が吹いていた。
白波も立っている。 沖へ出るのは躊躇(ためら)われたので、 港近くでお茶を濁すことにしたのだが、
プランクトンで濁ってはいるが、魚は反応はなかった。
移動性の高気圧が張り出してきているはずだからと、 無理して沖へ出た。
向かいの島近くでリトリーブしたが、 なかなか反応が無い。 1、2度、プレコンタクトがあったくらいだった。
海面水温は15℃で、
この冬はこの温度が最低水温だった。 一昨年と同じで、昨年は14℃だった。 それでも、海に手を突っ込むと、冷たく感じられ、
海中は、まだまだ冬である。
この時期の特徴は、 なかなかタイラバを追わないが、
捕食スイッチが入ると、勢い良くかぶりつく。 鈎が口の中に掛かることが多い。
ようやくコンタクトしたのは、2時間半経ってからだった。
がつ、がつっ、ぐいん! 糸が出ることはなく、キロ弱マダイが上がってきた。
日が高くなった時刻の方がアタリが多くなるのも、
早春の特徴ではある。 続けて、がつ、がつっ。が出た。 1度だけのキュイーーン。があって、 50cmちょうどの中型がネットインした。
僅かに婚姻色が見られる美しいメスだった。 丁寧に鈎を外してお別れした。 うれしそうに、海中へ去って行った。
ああ、これで、安打が1本だな。と、安堵した。 よし、つぎは、長打といこうか。気合いが入った。
が、そうは問屋は卸してくれない。
1時間ほどの、無反応タイムが訪れた。
今日は、昼前に終わる予定だった。 今日、明日と、連続釣行になりそうだったからだ。
明日はゲストと過ごすので、 長時間も辞さないようになるかもしれない。 ということ。
早く2尾目が来んかいな。と願っていた。
すると、・・・。
が、がっ、ぐい、ぐいん。と追いかけて来るようなアタリ。 鈎掛かりしたのに、小型魚のような引きだった。 そのまま巻いていると、・・・。
キュイーーーーーン。と、ドラグがうなった。 おおっ、これは大物にちがいない! 二度目の引きは、キュイーーン。だった。
ポンピングしていると、また、キュイーーン。 中層で引きが弱まり、ごり巻きでじゅうぶんだった。 無事玉網に収まったのは、オスの良型だった。
前回の良型とはちがって、体高が低かった。 久しぶりのオスだった。 乗っ込みのマダイは、オスの方が旨い。
卵にいく養分の方が白子を太らせるよりも多いからだ。 産卵が本格的になるオスの白子は、絶品珍味である。 この時期は、まだまだ白子は小さい。
ともあれ、三月に入って三回の出船で、 それぞれ良型がコンタクトしたのには、 かなりうれしい驚きがあった。
四時間が経ち、正午前に納竿することができたのは、 これもまた、海の神のはからいであろう。
心で手を合わせた。
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