風、波、うねりと三拍子そろった時化気味の日だった。 冬はこのような日には出港を控えるのが常ではあるが、
体幹を鍛えようと立ったままリトリーブを繰り返した。
潮の流れが鈍く、風に流されて、 船流速度は1.0km以下だが、かなりのインクライン。
インクラインとは、バーチカルの反語で、 斜めに糸が出ることをそのように名付けている。
70m以上ではすぐに潮ボケが起こる。
潮ボケとは、錘の着底がよく分からない状態を言う。 だらだらとラインが出て行くので、回収が辛い。
65m前後を主に流した。
それより浅いと、巨エソの猛攻を受ける可能性が高い。 この日も攻撃されたが、錘ロスは無かった。
昨日の大時化で水温が下がったのだろうか、
潮の条件もよくなかったことも加わって、 ずっと食い渋りが続いていた。
まあ、今日は、足腰と体幹の強化が主な目的だと、
4時間ほど頑張って、どうにかキロ級の本命を掛けた。 二度だけ、短い糸出しがあった。
47cmのジャッキー(ジャストキロ級のマダイ)だった。 何一つ傷の無い、珍しいほどに美しい本命だった。 こういうのを、人間界では、
「箱入り娘」というそうだが、 最近ではあまりお目にかかれない。 急ぎ泳ぎ去る後ろ姿を見送った。
切り身サイズのイトヨリダイが2尾。 これも、しっかり空気を抜いてリリース。 あとは、ホウボウ1尾で納竿となった。
大揺れの船の上でずっと立っていると、大変疲れたが、 それが目的でもあったので、いい運動になった。 たまに腰かけて、珈琲タイムを取りながらの釣りだった。
晴れていたので、比較的暖かく感じられた。
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