猛暑が続いていた。 したがって、前回に続き早朝出勤。 午前6時ちょうどに出港した。 やや眠い。
東の風1mとあったが、無風。
風が無いと、陸(おか)とほとんど変わらない。 ただ、ただ、暑い。
長潮前の小潮で、午前8時が干潮というのに、
潮は動かない。当然、船も流れない。 長くても午前9時には納竿したかった。
釣果を望めるはずもなく、
一時間ほどは、小魚さえ、アタリ無し。 海の中がとろーんと停滞しているようだった。 ラインはバーチカルに入っていた。
とにかく、船が動かなければ、打つ手は無い。 いや、正確に言うと、一つだけある。 それは、瀬や漁礁を狙うということである。
あるいは、水深の落差があるポイントや、 魚道なども良い。
弱い潮でも瀬にぶつかって、 わずかでも、流れに変化が生じる場合がある。
湧昇流というまではいかないが、 起伏の大きなポイントでは、流れがいつも複雑である。
0.0kmのままだったが、
駄目元で、そのまま流してみることにした。 瀬もあり、漁礁もあり、水深の変化もある所だった。 GPSを凝視していると、ごくわずか、
数値が変化しているのが分かる。 0.0kmでも、全く静止している訳ではない。
が、がっ、がつん。ぐいーん。とコンタクトがあった。
チダイの良型か、キロ弱程度のマダイかと思った。 頭をしきりと振って鈎から逃れようとしていた。 すると、キュイーーン。キュイーーン。
と、釣果音が聴こえた。 二度あったので、おそらく、50cmは超えているだろう。 すこし、楽しくなってきた。 実は、ここ三日間、
糸出ししてくれるような魚に出会っていなかったのだ。
上がって来たのは、55cmのメスのマダイだった。 急ぎ、記念撮影をして、海へ返した。 しばらく、海面下にいて、
表層を遊泳していたが、無事に深く潜って行った。 こういう戻り方も珍しい。
再び、船を同じポイントへ戻して、
リトリーブを始めたが、しばらく反応が無かった。
ぼちぼち、港への帰り支度を始めようかと思った。
だが、鈎をチェンジしてからノーコンタクトなので、 一尾掛けたら、納竿しようと考えた。
がつっ、コンタクト!
ぐい、ぐいっと糸を引いたかと思うと、 ギュイーーーーーン。と激しい釣果音が来た。 ギュイーーーーーン。よし、ヒラマサだ! と気合が入った。
ギュイーーーン。ギュイーーーン。 と、しばしばの糸出しに緊張感を高めながら、 ミヨシに移動してやり取りを続けた。
パワフルなヒラマサだったが、 ポンピングの際の重量感は大したことはなかったので、 ヒラゴサイズだろうと感じていた。
それでも、彼は、最後までよく引いて、 玉網入れにも手間取ったくらい動き回った。
76cmのヒラゴだった。 水槽を取り出し、その中で血抜きをしながら、 船を港へと走らせた。
夏マサは特に旨いので歓迎である。
これでまた冷凍室が満杯になるだろう。 そして、しばらく、「ヒラマサのしゃぶしゃぶサラダ」という、 釣三丸レシピに舌鼓を打つことになる。
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