昨日の超大型との激闘の余韻が、 たっぷり心身に残っていた。 心には、残像。体にはひじ痛。 前者はいいが、後者には参った。
明日は、ゲスト釣行だし、 今日は、思い切って休もうかと思った。 だが、穏やかに涼し気な海を眺めると、
まあいい。釣りはそこそこに、朝涼みでもしようと、 性懲りもなく、船を走らせた。
始めのポイントは、0.5km。
ないよりましなくらいだった。 次のポイントは、0.7km。 ほんの少しましだった。 いずれも、低条件、高活性、食い渋り。
真ん中の高活性に懸けてみた。
イトヨリダイ、オキイトヨリ、小型マダイ、そしてイラ。 コンタクトはつぎつぎとあった。
本命らしきアタリも数度。 いずれも、プレコンタクトどまり。 他魚は掛かるが、本命は掛からない。 これもまた、マダイ釣りの面白さではある。
しばらくすると、干潮後の潮が動き始めた。 風も3mから4mに強まった。
船流速度が1.2kmになり、 好条件に近くなったが、どういうわけか、低活性。
いや、まてよ。大物の本命が活性化して、
他魚が遠慮しているとも考えられるな。
GPSを見ていると、 このまま流せば、いくつかの大ダイポイントを通過しそうだった。
得意の「放浪流し」をすることにした。
今日は、涼みが目的ということで、 本命一尾のノルマからは解放されていた。
表面海水温は27℃と、 ほぼ別荘の室内と同じだったが、 気化熱を伴った涼しい風が、 身体を吹き抜けるので、気分は良好だった。
目的は十分に達成していた。
ああ、涼しい。
これで、本命の一尾でも来ればと、欲が出た。
涼みタイムだが、釣れれば更に爽(さわ)やかになるだろう。
ある大ダイポイントに差し掛かった。 ぐいっ。離した。ぐい、ぐいっ。追い食った。
かと思うと、ギュイーーーーーン。 もひとつおまけに、ギュイーーーーーン。 期待していなかったものだから、焦った。
コンタクトがあると、ひじの痛みは消える。 ドーパミンの働きによるもの。 だが、ネットインの後は、激しく痛む。
幸いにも、昨日とちがって、 この大ダイは、中層付近で力が弱まった。
そして、無事に、ランドオン。
69cmの準大ダイだった。
ほれぼれするような、美しいメスのマダイである。
夏季はリリースを急がなくてはならない。 日に照らされてデッキが熱くなっているのだ。
手際よく、撮影して、海に放した。
良型、大型の本命は、干満潮前後で、 活性を高め、食いが立つ。 今日は、干潮から上げの潮が、
本格的に動き出したことで、 この準大ダイがコンタクトしたという訳である。
二時間弱の朝涼み釣行は、これにて終了。
身体も心も清々しくなった。
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