南風の5mなどという強風予報だったが、 太平洋高気圧の縁(へり)なので、 大丈夫だろうと出船してみると、波はなく、
3mほどの風でおさまっていた。
安堵はしたものの、南風は条件が良くない。 どこもここも0.0kmばかり。
10か所以上のポイント巡りの末、 ようやく0.9kmで安定的に流れる場所を見つけた。 ここまで苦労するのも珍しい。
実は、そのポイントは、島で鯛ラバを始めた頃に、 流したことがあったっきりで、四年間以上も忘れていた。 というより、あまり実績が稼げなかったので、
忘却の彼方に置き忘れていたと思われる。
実績からすると、Cランク。 だが、ここで初めてまともに流れていたので、
とにかく、リトリーブをしてみようと思った。
しばらくは、なしのつぶて。 とんとアタリが無かった。
潮の動きも、活性もよくなかったようだ。 なんとか、コンタクトがあって、 キロ弱マダイかなと思ったら、ホウボウだった。
蛙の顔と、蝶の羽と、蜘蛛の足を持ち、 ウシガエルのように鳴く。 これほど面白い魚も珍しい。
この魚は、捕食が下手なので、
潮が速く動いていると、あまり掛からない。 低条件を象徴するような魚なのだ。
やっぱり、今日は、本命は無理かなと思っていると、
がつっ。と引っ手繰るようなアタリがあって、 ギュイーーーン。が出た。 ギュイーーーン。ギュイーーーン。 三度で止まったので、これは大ダイだと、
まさかの展開に驚いていた。
ギュイーーーン。 ギュイーーーン。 あらら、また引き始めた。 ははん、これはヒラマサだなと悟った。
あまり重みを感じられなかったので、ヒラゴだろう。
ギュイーーーン。 それにしても元気なヒラゴだなと、
感心しつつ、引きをたっぷりと味わっていた。
無事、ネットイン。 ちょっと手間取ったが、いいヒラゴがコンタクトしてくれた。
小さくても夏マサ。きっと旨いだろう。
しっかり血抜きをして、鼻からの神経締めにも成功した。
これにて、納竿。
明日から更に風が強まりそうなので、
新鮮なヒラゴを持って自宅へ戻ることにした。
追記
このヒラマサは、刺身としゃぶしゃぶでいただいた。
脂も乗っていて、旨味もじゅうぶんにあった。
家族三名で「おいしいいね。」と言い合いながら、
たっぷりとお腹(なか)におさまった。
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