本日も凪。無風。 嫌な予感通りに低条件。 おまけに低活性。 エソも食わぬが本命も食わぬ。 船流速度0.0kmのポイントだけは避けようと、
長距離移動も何のそので、動き回った。 船が流れなければ釣れないからだ。
以前は、ひょっとするとと思ってリトリーブすることもあったが、
時間の浪費であることが明白になってからは、 少しでも動いているエリアを探すようになった。 第一段階の宝探しは、低条件地帯からの脱却である。
低条件、低活性、食い渋りの三項目が重なると、 本命はおろか、他魚も食わない。 唯一とも言える例外が、根魚。
この日も、40cm弱のアオナ(アオハタ)が二尾、 タイラバをくわえた。 アオナは、ハタの仲間では最も粘り強く引くので、面白い。
「アオナ丼」で食べるとめっぽう旨い。 「タカバ丼」も「アコウ丼」も食べたが、大差ない。
クーラーの中がぬるぬるするのが嫌で、
鱗と一緒にぬめりを取り除いて仕舞った。 神経締めをすると、見事に白くなる。
脳裏には「アオナ丼」が垂涎の的となりそうだったが、
今日の釣りの目的は、本命の「宝探し」なのだ。 なんとか宝を探したいものだと頑張った。 1kg以上のマダイは、船長にとって、
宝以外の何物でもない。
ようやくにして、0.9kmで船が流れる場所を見つけた。
気が付けば、昨日とほぼ同じエリアだった。 流れ続ける限り流していこうと、 半放浪流しをしていると、ついにアタリがあった。
がつん、ぐいーん。コンタクト! くいっ、くいっ、と竿を何度も曲げるように抵抗していた。 糸が出ないなあと不満げになっていると、
キュイ、キュイ。と二度僅かに糸出しがあった。 ははーん、これはジャッキーだなと判断した。
47cmのメスのオレンジジャッキーだった。 とりあえず美しい本命を釣り上げたことに満足。 だが、物足りない気配は感じていた。
そうなのだ。キュイーーン。が無いと、 次の宝を探してみようという気になる。
実は、心当たりがあった。
もうすぐ、満潮前の潮が動く時間帯だったのだ。 条件がアップすれば、ギュイーーーン。は望めないまでも、 50cm級のキュイーーン。が聴けるはずである。
予想通りに、潮が動いた。 速度が、0.9kmから1.2kmに変化した。 上潮の流れが速くなったのである。
待っていたかのように、がつっ。 がつ、がつっ。ぐん。コンタクト!
ぐい、ぐい。と、ジャッキーのような引き。 あらま、またキロ級か。
まあいい。本命なら贅沢は言うまい。 すると、キュイーーン。が一度だけ出た。 即刻、50cm級であることを悟った。
54cmのメスだった。オレンジ色ではなく、 パールピンクの美形。この色が最も島のマダイらしい。 内蔵がややはみ出して心配したが、
やんわりと指で中に入れてやるとうまくいった。 そして、無事に竜宮城へと帰って行った。
宝を二つ見つけ、
状況が低レベルだった割にはいい釣りになったと思う。 今日の状況では、これ以上は望めない。
|