昨日とは一転、船がよく動いた。 だが、南風が強く、 浅場でも20巻きリトリーブが三回というのがせいぜいで、 非常に釣り辛い時間が続いていた。
満潮前後にわずかに潮が緩んだが、 それでも、潮ボケ傾向は収まらなかった。
まあ、いい。一尾くらいは掛かってくれるだろうと、
若者アングラーと二人で、 せっせとリトリーブを続けた。 釣れないが、深場には行けないので、 フィールドが著しく制限されていた。
40cm級のキロ弱マダイが掛かって、 それでも一度、キュイーーン。が聴けたくらい、 潮の抵抗が激しかった。 プレコンタクトはよくあったので、
活性が低い訳ではなかった。 食いが渋くて、勢いが足らず、鈎が食い込まない。
青年鯛ラバ師にも、ギュイーーーン。と、
ニアコンタクトがあったが、鈎外れ。 船長も数回プレコンタクトを味わった。
その後、ようやくいい釣果音を聴くことができた。
ギュイーーーン。ギュイーーーン。と、二度。 おそらく良型だろうと慎重にやり取りしたが、 なんと、それは、ジャッキーだった。
潮の抵抗で、体重が二倍、三倍に感じるのであった。 姿を見なければ、完全に良型だと思うだろう。 今日は、島の友人へのお土産釣りだったので、
刺身にすると旨い、このオスのキロ級は申し分ない。
結局、本命はこの一尾のみで、 ホウボウやイトヨリダイなどの他魚は、
ぽつりぽつりと掛かったが、 この時期にしては、淋しい釣果となった。 この条件では仕方あるまい。
リトリーブ三度で回収というのは、
なんとも忙しく、釣り人の労力とやる気をも削いでしまう。 大物は、このような条件下では、 なかなか、コンタクトしないのである。
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