5月18日

コメント

今年の五月は例年になく凪が多い。
通常の年も比較的五月は安定した天候だが、
1日から今日まで、中四日間の時化を挟んで、
今日で既に、14日間も出港したことになる。

気候もいいし、PM2.5を除けば、
釣りにはもってこいの気候である。

本日はベタ凪。
普通は風が吹かねば船が流れないが、
いくつかのエリアでは、
潮流れが起こるので、そこへ行くことにした。

着いて速度計を見ると、1.1kmだった。
これで釣りになるのだが、ラインがバーチカルだった。
得てしてそういう条件ではキロ級はアタるが、
良型以上の大物はほとんど望めない。

しばらくすると、早々と、コンタクト!
数回竿を叩き、キュイ、・・・ キュイ、と、
ごくわずかに糸が出た。
なるほど、思っていた通りにキロ級だな。
と、引きを楽しんだ。



ジャストキロサイズの中型だった。
なんだか、前回と同じパターンだなと、
後の展開を予想すると、ちょっとたじろいだ。

まさか、また、昼過ぎまで次のアタリが来ないのか。
と思っていると、幸いにも、再びコンタクト!
しばらく追い掛けて来ては、しっかり鈎に乗った。

キュイーーン。キュイーーン。と糸が出た。
これは、50cm級はあるだろうと予想していると、
その通りのサイズが海面に浮かんだ。



54cmの美的マダイだった。
最初のマダイに続き、これもリリース。
まだまだ産卵期が続いており、
空気と大きくなった卵巣が内臓を押し出そうとするので、
内臓が飛び出す危険性があるが、
二尾ともに大丈夫だった。
腹を軽く押さえてやると、プシューと空気が抜け、
すかさずリリースすると、元気に泳ぎ去る。

これで、やや安心した。
本命を二尾コンタクトさせ、釣果音も聴けたのだ。
まだ、一時間を少し過ぎた頃だったので、
もうしばらく続けることにした。

すると、またもや、コンタクト!
キュイーーン。が二度あり、
中層に来ても、まだ引きが強いので、
てっきり本命かと思っていると、
それは、根魚だった。
キロサイズ近くのアオハタである。
島で釣れるハタの仲間では、
アオハタがもっともよく引き、しばし、マダイとまちがえる。

リリースデーだったが、
浮袋が口から派手に飛び出し、
目も飛び出していたので、再起不能。
「アオハタ丼」に舌鼓を打つことにした。

時間は流れ、三時間近くになった。
そろそろ帰るとするかと思っていると、
まだまだ満潮前までには時間があるというのに、
潮が強く動き出し、糸がインクラインになった。
あれ、これは、いい流れだぞ。
ひょっとすると、・・・。

がつっ、ぐいん。掛からない。
しかし、追って来ている。
が、がっ、がつん、ぐいーん。
よし、乗った。コンタクト!
ギュイーーーン。ギュイーーーン。
と、二度、三度、強烈な釣果音が響いた。

重量感もあったので、良型以上だと思った。
慎重にやり取りをして、
魚を徐々に浮かせると、
パールピンクに輝いて、良型が姿を現した。



マダイの中のマダイといったふうで、
61cmというサイズにしては、
大ダイ並みの引きをしたことに驚いた。

急いで空気を抜かずにリリースすると、
白い腹を上にしてぷかぷか浮かんでいた。
遠く流れてゆく魚体を見送っていると、
2、3分後、バシッと強烈な水音を立てて、
無事に海中へと去って行った。

その後、潮の動きはぱったりと止まり、
キロサイズしかアタらないような条件になった。
絵に描いたような短時間の条件の変化に、
パワフルな良型が反応したという訳だ。

心が満たされ、
激釣に近い、三時間の釣行を終えた。



inserted by FC2 system