5月17日

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風は弱くベタ凪だった。
嫌な予感はしたが、潮流れがずっと続いていた。

適度に船は流れているので、
これは、いいぞと思っていると、
すぐにアタリがあって、
キロサイズの本命がコンタクトした。

ニックネームは、「ジャッキー」にしよう。
ジャスト・キロということで。
「ジャッキーロ」でもよいが、それではイタリア魚のようだ。



このジャッキーのあとは、さっぱりで、
他魚はよく掛かってくれたが、
本命は、長い間コンタクトすることはなかった。

いわゆる、「好条件シンドローム」といい、
条件がとても好いにもかかわらず、
プレコンタクトばかりで、魚に勢いがない。
ぐぐっと来ては、タイラバから遠ざかる。
そういうことばかりだった。

先ほどのジャッキーでは、糸が出なかったので、
なんだか物足りない。
釣果音を聴きたいものだと粘りに粘り、
いつの間にか、五時間という長丁場になっていた。
ベタ凪なので、体力の消耗が少ないのは幸いだった。
船は揺れる程、足腰の筋肉が疲労する。
体幹は鍛えられてよいのだが。

満潮が正午過ぎなので、
その直後が勝負だと思っていた。

ようやく、その時が訪れた。
1.1kmの船流速度が1.4kmと、やや速くなった。
満潮直後の潮が動いたのだった。

25巻きしてからのフォールの最中に、
急にスプールの回転が速くなった。
すかさず、速巻きをすると、魚は、鈎に乗った。
フォールでコンタクトしても合わせる必要はない。

ギュイーーーン。ギュイーーーン。
いい釣果音を奏でながら、
思いっきり糸を出していった。
最初はまるでヒラマサのようなファイトであった。

力強い引きはしばらく続いたが、
キュイーーン。と力が弱まりつつ、
重量感のみが伝わってくるようになった。
上層付近で、糸が斜めになり、
向こうでポッカリがあった。



実に美しいメスの準大ダイだった。
大物は、特に満潮前後にやって来る。
体長は68cm。
パールピンクの魚体が初夏の日差しに照らされていた。
ちょっと手間取ったが、無事、リリースすることができた。

思いもよらず、長い釣行となってしまったが故に、
よろこびもひとしおだった。

これにて、納竿!




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