5月14日

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南寄りの風はポイント選定がむずかしい。
潮と風がそれぞれ逆向きに流れ、
着底がままならない。
今日の条件でカウントしてみると、
20巻きを4回すると、潮ボケしてしまった。
30巻きの7、8回というのが理想だが、
それとは程遠い、鯛ラバには不向きな風だった。

最初のポイントは、前回良型を釣り上げた所。
0.0kmだった。
潮と風がほぼ完全に逆向きで、船が動かない。
ラインだけはインクラインに出ている。
船が動かなければ、時間の浪費だと、移動。

次のポイントも、0.0km。移動。
次も、0.0kmで、時間の無駄と考え、移動。
なんだ。どこもここも動かないじゃないか。

四度目の掃除機。いや、正直で、
ようやく、0.9kmで安定して流れる場所を見つけた。
しかし、この流れの速さでは、20巻きだと辛い。
マダイがタイラバを複数回見てしまう距離である。
かといって、30巻きでは2回で着底不可。
そこで、25巻きの3回でリトリーブすることにした。
3度の再フォールで回収するのは正直疲れるが、
せっせとハンドルを回し続けていた。

ぐいっとネクタイを引っ張った魚がいた。
もう一度、ぐいっ。また、ぐいっ。
興味スイッチのまま追い掛けている場合の典型だ。
大抵は、咥えている内に餌でないと気付き、
そそくさと去ってしまうのがオチ。

ここで、ぴぴっと閃いた。
速巻きして、タイラバが必死で逃げる演出をしてみよう。
これが、まんまとうまくいく。
がつっ。コンタクト!
ギュイーーーン。ギュイーーーン。ギュイーーーン。
まさしく大ダイの引きだった。

指ブレーキを掛けながら、
糸の出をセーブし、ポンピングしては、
素早く巻き取る行動に出た。
これが、功を奏し、向こうでポッカリとなった。



美しいオスの準大ダイだった。体長は68cm。
やさしげな顔をしている。
引きからすると、りっぱな大ダイである。
気は優しくて力持ち。オスの中のオスだった。

本日はオールリリースデーなので、
釣果音をありがとう!と声を掛けながら、お別れをした。

これで満足したのだが、
まだ一時間しか経っていなかった。
せっかく、いいポイントを見つけたのだから、
もう一尾、がんばってみるとするか。

とは思ってみたものの、
風はいっこうに弱まらず、沢山の白波が見えていた。
25巻きでも辛いので、20巻きリトリーブにした。
これでアタればもうけもの。

すると、またしても魚信が伝わってきた。
が、ががっ、ぐいっ、がつん、コンタクト!
ギュイーーーン。
かなりの距離、糸が出た。
連続釣果音に気を良くして、やり取りにも熱が入る。
ギュイーーーン。
先ほどまではないが、これもなかなかのサイズだと思った。



前のより二回りほど全長は短かったが、
丸々としていて、重みがあった分、よく引いたのだろう。
体長はちょうど60cmの良型のメスだった。
パールピンクが初夏の日差しに照らされて、
ほれぼれするほど美しかった。

まだ二時間も経っていなかったが、
これで、7点獲得となり、満足の域となった。
0.0kmが続いた時は、どうなることかと思ったが、
わずかにでも流れるポイントを、
見つけられたのは幸運だった。



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