Kさん夫婦と乗船。 ほぼ無風状態で、べた凪。 釣りはしやすいが、 船が動かないのではないかとの不安。 夫婦は、四か月ぶりの乗船で、
今回、初の白子マダイをねらっていた。 なんとかそれを釣ってほしいと願っての出港だった。
前回は、夫婦ともに他魚の新記録を達成するも、
本命はボウズだったのだ。 マダイのお土産は、船長が釣った大ダイだった。 今回は、もちろん、本命のリカバリー。
よさげなポイントへ直行するも、 案の定、船は超低速度で流れていた。 0.0kmと、ほとんど動かない。 あらら、やっぱりね。と、不安がよぎった。
それでも、しばらくして奥さんにアタリ。 小型マダイが小気味よく竿を曲げてくれた。 本命ではなかったが、よろこんだ。
この条件でも鈎をくわえるということは、 魚の活性は、いいのではないかと、やや安心。 上潮がわずかに動き始めていた。
勘は、当たっていた。 船が、潮に乗って、 1.4km前後で流れるようになると・・・。
ふたたび、奥さんにコンタクト!
キュイーーンが出た。よし、やった。 キュイーーン。キュイーーン。 これは、本命にちがいないと船長も、はしゃいだ。
潮の抵抗がしっかりと加わり、重そうだった。 がんばれ!と心で応援を送った。
なかなかの型が、海面に浮かんだ。 無事、玉網入れに成功。
良型のマダイだった。しかも、オス。
奥さんの頑張りで、早々と、白子マダイをゲット! 船内は、歓喜に包まれ、大はしゃぎ。 まだまだ産卵途中なので、白子はたっぷりあるだろう。
めでたし、めでたし。
いやいや、これで終わってはいけない。 Kさんにもリカバリーしてもらわなければならない。
相変わらずの無風。 それでも、潮流れは、いい感じで続いていた。
すると、・・・。 Kさんに、待望のコンタクト!
ギュイーーーン。が出たあああ。 やった。と船長がガッツポーズ。 大ダイ並みの強力な引きに耐えながら、 Kさんの腕が悲鳴をあげていたようだった。
釣果音が、静寂な海面に鳴り響く。 糸が出されても淡々と巻き巻きされていた。 釣三丸流の基本のままに、 魚は、海面に誘導されていった。
ジャーン。
まことに美しい準大ダイだった。 これほど体形のいいマダイもめずらしい。 稀勢の里の三度目の優勝の際には、
届けてあげたいと思うくらいの美的な本命だった。
これから入れ食いだあーと、 心で叫んだが、なんと、籠網の回収に、
大きな漁船が近くにやって来た。 ゴオゴオと巨大なエンジン音が響く...。 あ〜あ。
その後は、場所を移動し、 ぼちぼちと小型や他魚が釣れ、 本命にはお目に掛かれなかったが、 凪と霧とマダイの稚魚の群れなどに癒されて、
いい釣りの一日となった。
ともあれ、お二人のリカバリーは、 ひとまず成功裏に終わり、ほっと安堵の釣行だった。
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