ほぼ無風、小潮、ベタ凪にての出船となった。 型は小さくても、とにかく本命を一尾というのが、 このところの必須課題となっている。
前回は、本命ボウズだったが、 さばきやすいサイズのヒラゴが釣れたのでよかった。 本命というより、釣果音が一度聴けて、
玉網の中に納まってくれればいいということである。
まずは、幸先よく小型マダイが釣れた。 43cmと、本命までもう少し。
次に、前回と同じく、 とんでもないサイズのヒラマサが掛かった。 糸の出が止まることがなく、 船を微速で前進させて、その分巻き取るのだが、
その最中も、糸は激しく出て行く。 獲れるはずはないと思っていたので、 早くリーダーがブレイクしないものかと願ったが、
10分間以上もタフなやり取りを強いられた。 結局、リーダーは切られ、 骨折り損のくたびれ儲けとなった。
デカマサ(大型のヒラマサ)はもう勘弁である。
はあはあぜいぜいと、息が上がっていた。 呼吸が落ち着くまでに、しばらく時間が掛かるだろうと、
珈琲ブレイクをとった。
五分後、船を始動点に戻し、 再びリトリーブを始めると、さっそくのアタリがあった。
釣果音は一度のみ。何度か竿を叩きながら上がって来た。
48cmのメスだった。
よし、これで課題達成だとよろこんだ。 本日はオールリリースデーなので、 美しく泳いで行く姿を見送った。 ほんのわずかな時間だが、
マダイの遊泳が見られるのはリリースの面白さである。
この時点で、二時間が経っていた。 中型では、やや物足りなさを感じるので、
あと、一尾釣れたら戻ろうと考えていた。
船を始動点に戻し、再びリトリーブを始めると、 しばらくして、魚信があった。
ぐっ、ぐっ、ぐいん。コンタクト! キュイーーン。キュイーーン。 いい釣果音だ。先程よりもサイズアップしている。
中型のマダイだったが、56cmと、
なかなかの手応えだった。やや婚姻色。
どうやら、このエリアに群れがいるようだ。 再び船を戻し、リトリーブを続けた。
が、がっ。・・・がつん、ぐいーん。 キュイーーン。が三度聴けた。
おっ、今度は良型かとよろこんだが、
58cmの準良型だった。ちょっぴり残念だったが、 既に、本命が三尾コンタクトしたのだから、 不満があろうはずがない。
本来ならば、これにて納竿となるところだったが、 正午までの四時間を費やすつもりだったので、 もう一度、始動点に戻した。
ほとんど同じコースを流しているようだが、 風や潮流の影響で、全く同じという訳ではない。 数メートルから数十メートルずれていることが多い。
もし、全く同じであれば、 スレが早くて釣れなくなるだろう。
船流速度は、0.7〜1.6とkmという幅で変化していた。
ほとんどは、1.1kmくらいだった。 この速さは、好条件とは言えるものではない。 しかも、ラインは、ほとんどバーチカルにフォールしていた。
これは、レベルの低い条件である。
ぐいっ、ぐいっと魚信があって、鈎に掛かった。 またもや本命の釣果音があるかと思ったが、
糸は短く一度だされたのみだった。
46cmのジャストキロ級だった。 型は小さかったが、小気味よい引きをしてくれた。 これで、本命四尾。 かつて、五尾という記録があった。
今日は、リリースデーだったので、それを目指すことにした。
すると、またもや、コンタクト! タイ記録ということで、やや慎重になっていた。
キュイーーン。は二度ほどで、 これは、50cm級だなと予想していると、 その通りのサイズだった。
54cmのオス。今日初めてのオスだった。 魚影の濃いエリアにはメスが多い。 切り身キープにはいいサイズだったが、 気分よくリリース。
あっけなく、タイ記録となった。 記録作りで釣りをしている訳ではないが、 ついでに新記録もわるくはない。
正午まで残り、15分となっていた。 よし、最後のひと流しとしよう。
ぐっ、ぐっ、・・・。がつ、がつっ、ぐいん、コンタクト!
しばらく追いかけてきたマダイが鈎に掛かった。 キュイーーン。キュイーーン。キュイーーン。 と、三度の釣果音を発した。
今日これまでで、もっともよく引いた気がした。
しかし、型は思ったよりも小さく、
52cmのメスだった。 内臓が大きくはみ出し、再起不能だった。 残念だったが、キープするしかない。
鈎から懸命に逃れようと頑張り過ぎたからであろうか。 丁寧に処理して、水を溜めた容器に入れた。
ちょうど、正午となり、四時間の釣行は終了した。
大ダイが来るような条件ではなかった為か、
型は皆中型だったが、一人で本命六尾というのは、 釣三丸始まって以来の新記録だった。 しかも、後半の二時間で五尾というのは、
ほとんど入れ食い状態に近い。
今年初の、激釣だったと言えよう。
ひょっとすると、マダイの群れ(のぼり鯛)が、 島に入ってきているかも知れないと思った。
記憶力の限界でもあった。 メモなどしたくないので、 体長をいちいち覚えているのは、 6尾が精いっぱい。
時々、長さを頭の中で順番に復唱していて、 釣りへの集中力は失われつつあったが、 それでも次々とコンタクトし、
呆気に取られていたというのが本音である。
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