1月26日

コメント

引き続き、好い凪にての出港。
平日というのに、あちこちでプレジャーボートが見られた。
トレーラブル2hpボートも浮かんでいられるくらいの凪だった。
その横を通る時はエンジンをスローにする。
佐渡のたらい船のように不安定に見えるので、
寄せ波でひっくり返りでもしたら大変だ。

釣三丸も以前、大きな船が横を通り、
しぶきが船内を揺るがすほどの寄せ波を食らったことがある。
幸い転覆には至らなかったが、非常に危険である。
島の漁師の皆さんはマナーがいいので、そういうことはない。

前回、大ダイを釣り上げたポイントを流してみた。
感触がまだ残っているので、
あわよくば、もう一尾ということで、・・・。

半時間ほどは、ちょうど潮止まりで、0.0km。
ラインはバーチカル。
これでは食うはずはないなとあきらめ加減であった。
ラインが立っていると、澄み潮では、
マダイから丸見えになる。
丸美屋のふりかけは旨いが、丸見えはよくない。
なんだか一度使ったことのあるギャグのような気がしたが、
かなり気に入っているので、もう一度。
しっかり、オヤジである。

オヤジといえば、いくつまでがオヤジなのだろうか。
三十代では、青年。四十代でオヤジの仲間入りだと思うだが、
還暦を過ぎてもオヤジになるのだろうか。
まだまだジジイと言われるのは早過ぎる。
ジジイと言われるのは嫌だが、
ジージなら言われてみてもいいかな。

取るに足らないことを考えている内に、
そろそろ下げの潮が動く時刻となった。
干潮満潮前後では、満潮から下げの潮が動く時が、
もっとも多く「大ダイ流れ」が発生する。
船流速度は1.4kmを超えるようになった。
糸は、インクライン。よし、これは来るぞ。
と思っていると、ほんとうに、来た。

がっ、・・・。がっ、・・・。いいぞ。追いかけて来い。
ぐいっ、ぐいーん、コンタクト!

実況中継の途中だが、ここで、解説を加えることにする。
私が釣りをしたことがある、
オーストラリアやニュージーランドでは、
魚がヒットしたことを、「コンタクト」と言う。
ヒットというのは、そもそも打つという意味なので、
かなり変な和製英語である。
突然だが、今後、「コンタクト」も使おう。

ギュイーーーン。ギュイーーーン。ギュイーーーン。
立て続けに釣果音が鳴り響いた。
ギュイーーーン。と余りに良く糸を出すものだから、
ヒラマサではないかと疑った。
この頃、ヒラマサがよくコンタクトしてくる。
大ダイなら、このあと、中層辺りで、
引きがほとんど無くなり、重量感だけを味わうようになる。
だが、この魚、中層でも引いた。
上層近くになってもラインは立っていて、まだ引く。
いよいよヒラマサだと思った。
ヒラマサより大ダイの方が良かったんだがなあ・・・。

ところが、澄み潮でよく見える海中を覗いていると、
マダイの魚影が見えてきた。
そして、「向こうでポッカリ」もなく、浮かび上がって来た。
玉網ですくう前も、まるでヒラマサのように、
海中へ逃げようとしていた。
あれえ、これ、ひょっとすると、
ヒラマサの遺伝子が混じっているのではないかと疑った。



姿は、りっぱな大ダイだった。70cm半ば。
実は、厳寒期、マダイのパワーは想定外に強い。
体温が下がっているが、それを補うように、
エネルギーの燃焼効率が高まるのだろう。
寒くて気合が入っているせいか、
ヒラマサ並に、最後まで抵抗する。
水温も気温も低いので、浮袋が膨らみにくくなることもある。
だから、この時期のやり取りがもっとも面白い。

ともあれ、連日の大ダイとのやり取りに、
満足な気分だった。
ありがとう!

さて、このあとは、どうしようか。
帰港にはまだまだ早過ぎる時刻だった。
実釣一時間しか経っていなかった。
大ダイは、一尾でじゅうぶんだ。

では、例によって、放浪流しでもしようか・・・。
だらだらと流れるままに船は動いていた。
「大ダイ流れ」の時間帯は終わり、
ラインはまた、バーチカル気味になっていた。

・・・・・。

さて、実釣三時間が経とうとしていた。
そろそろ、戻ろうかなと思っていると、
がつ、がつっ、ぐいーん。コンタクト!
「コンタクト」を使いたかったので、掛かって良かった。
キュイーン。キュイーン。と二、三度、
可愛らしい釣果音があった。



50cm半ばの中型マダイだった。
このマダイも、玉網入れ直前まで抵抗していた。
やはり、中型でも厳寒期のマダイは粘りが強い。
美しい姿を見送りながら、納竿することにした。

実釣三時間で本命が二尾。内一尾が大物。
まことに理想的な鯛ラバ釣行となった。

厳寒期としては、100点満点!



inserted by FC2 system