産卵が島で始まる時期やその生態について
マダイの産卵は年に一度、
水温が16℃くらいになると始まる。 島ではその水温になるのは、4月以降で、 3月までは、
卵や白子は十分に熟していないのをしばしば確認している。
4月の中旬に産卵適正水温を上回るようになり、 その頃から、
海面のあちこちに小さな群れを作って泳いでいる 稚魚を見る頻度が少しずつ増える。
エンジンを止めて、ドテラ流しをしていると、
流木や漂流物などと勘違いして、 マダイや他の魚の稚魚が寄って来る。 それを見つけると、 思わずリトリーブの手を止めて、
あたたかいまなざしで時間を忘れて眺めている。
愛艇の喫水線が丁度良いくらいに海面に近く、 稚魚を観察するのに都合が良い。
釣りをしながら自然の観察をするのは、 まことに愉しいものだ。
島はマダイの産卵に適したエリアのひとつで、
南の方から「上り鯛(のぼりだい)」が群れでやって来る。 その時期に船を出すことができて、 いい潮が流れ、船が適度な速さで流されれば、
本命の鈎外しとリリースに汗をかく。
産卵直前の3月下旬から4月上旬辺りが、 特に好釣果になる可能性を秘めているようである。
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