基本に忠実にしていつも好釣果


私の船のある常連ゲストは、基本に忠実である。
そもそも、鯛ラバ以外の釣りは知らない。
かえって、そのことが、好釣果を生んでいる。

たとえば、アワセを入れないこと。
アワセという普通の釣りでは必ず行う
所作そのものも知らないので、
「アワセなくてもいいよ。」
というアドバイスすら要らない。

大物がきても、
ひたすらリールを回すだけで、
ポンピングや指ブレーキもしない。
というか、できないし、やったこともない。

私は、大ダイやヒラマサとのやり取りでは、
ポンピングをしてすばやく糸を巻き取る
という作業を繰り返しながら魚を浮かせるのだが、
そのゲストは、どんなに糸が出ようと、
ただ、ただ、巻き取るのみ。
それでいて、バレるということが無い。

魚を掬って処理したり、
仕掛けを換えてやったりして、
私のリトリーブの回数の方がずっと少なくなるという理由で、
いつも必ずゲストの方が釣果が良い。
いや、もしかすると、
同じ回数でも、私より上かも知れない。

もっとも気を付けていることは、ドラグの締め具合。
大ダイでも巻き続ければ
浮かすことができるほどにテンションを掛けるが、
鈎がチヌ鈎の5号という細さなので、
締め過ぎると鈎が伸されてしまう。

リールの性能を最大限生かすような調整を施すことが必要で、
それさえうまくいけば、大物でも逃すことはない。

2017年の釣り納めでは、
74cmの大ダイと、中型を二尾。
ヒラゴの78cmと、70cmのハマチ。
さらには、キロサイズのキジハタまで釣り上げてしまった。
それも、二時間半という短い実釣時間にである。

余計なことを一切しない、
どこまでもシンプルな釣り方が、
鯛ラバで好釣果を生む一番の方法だということを、
このゲストは教えてくれている。




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