リトリーブにおけるコンタクトパターン(二)


今回は、着底直後のアタックを逃れたタイラバが、
更にリトリーブされた場合の
コンタクトパターンについて述べてみよう。
だいたい5巻き以上からのリトリーブと考えてほしい。

マダイは、底付近に居て
餌を漁(あさ)っていることがほとんどだ。

エビ、カニ、ムシ、貝、ウニ、ヒトデ、
海藻など、多種多様。

フィッシュイーターでもあるが、
素早く動く小魚を捕食する能力は、
ヒラマサなどの青物に比べると高いとは言えない。

したがって、普段は海底岩礁に居て、
動きの鈍い生き物を主食としている。

だが、できれば小魚や小イカを捕食したいと狙っている。
そこへ捕えやすい適度な速さで泳いでいるタイラバがやってくると、
絶好の餌がいると思って追い掛ける。

マダイは警戒心が強いので、
わずかでも不自然さを感じると、追いかけて来ない。
大型になればなるほど注意深いのだが、
潮などの条件が整えば、まずは興味スイッチを入れて、
餌かどうかを確かめる為にタイラバに近づき、
「甘噛み」と言って、タイラバの一部を軽く齧(かじ)る。

多くは餌で無いと判断し、興味を失って去ってゆく。
中には、スイッチを入れたまま、
更に追いかけて来るような食いの立ったのもいる。
二度、三度噛みついている内に、
鋭い鈎が口回りに掛かってしまうという訳だ。

鯛玉を齧るものもいる。
その場合は、ガツッというアタリがあって、
そのあとが無い。
無機物であることに気付き、追うのをやめる。

ぐいっ、ぐいっと引っ張るようなアタリがよくあるが、
それは、ネクタイやスカートを追いながら噛んでいるからだ。
一度目のアタリで、鈎絡みが生じたら、
タイラバが不自然になっているので追うことはない。
絡んだままいくらリトリーブしても、
釣れる確率はゼロである。

鈎絡みしていなければ、
コンタクトの機会はある。
すぐにクラッチレバーを落としてフォールさせ、
再びリトリーブしたら鈎掛かりしたということもある。

アタリが無ければそのまま回収し、
仕掛けのトラブルや鈎先を点検して再度投入する。
回収の際にガツンと食って来ることもあり、
印象的であるが、極めて稀(まれ)なパターンである。

圧倒的に多いのは、
5〜15巻き前後でコンタクトがあるというパターンなので、
着底から20巻きまで、
特に指先に集中してリトリーブすると、
釣果がアップするだろう。



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