魚種によって異なる様々な引き方を愉しむ


鯛ラバほど様々な魚種が釣れる釣りも珍しいだろう。
経験を積めば、引き方によって、
ある程度は魚の種類を判断することができる。
たぶん、あれだろうな。と想像しながら、
海面に現れた姿に、やっぱりなと納得する。

本命のマダイは分かりやすい。
50cm級でもキュイーーーーーン。が出る。
が、それは一度だけ。

60cm級になると、二度。
70cm級だと三度。
80cm級だとそれ以上。

型がいいほど、キュイーーーーーン。の数も増す。
その度に、おおーっと緊張感を味わう。
ひとしきり引いた後は、疲れて、
糸は出さなくなり、素直にあがってくる。

ヒラマサは、半端ない。
メーター級ともなると、三十分間前後のやり取りを強いられる。
巻き取っても、また糸を出される。
いい加減にしてくれ!と叫びたくなるほど。
ネットインした時は、へなへなと腰砕け。
若い頃、400m走をした後のように、
へとへとになり、釣りはフィニッシュ。

ブリもよく引き、同じサイズなら、
ヒラマサより持久力があって、手間は掛かるが、
瀬切れする心配がないので、緊張感はあまりない。

キロ級の根魚は、
一度だけ釣果音を奏でて終わり。
すんなりとあがってくる。

イトヨリダイは、40cmを超えると、
少しだけキュイーーン。となることもあるが、
水圧の変化に弱いので、
中層くらいで、ほとんど引かなくなる。

小型マダイに似ているのが、
ホウボウだが、それも最初だけ。

マダイとよくまちがえるのが、
姿を見てもっともがっかりな、イラ。
イライラする。(ギャグ)

タイラバキラーのカナトフグは、
しつこくアタックした挙句に仕掛けを丸裸にする。
鈎も餌だと思っているから、
口がミニマムサイズにもかかわらず鈎掛かりする。
引きは、小さなイトヨリダイ程度。

サワラは滅多に取り込めることはないが、
口の外に鈎が掛かれば、稀にネットインする。
最初の引きのみ、キュイーーーーーン。となる。
その後、キュイーーン。が二度、三度。
水面下に見えても、よく引くが、
パワーがないので、あまり面白くない。

未だによく分からないのは、
マゴチや、ごく稀に掛かるヒラメ。
タチウオもおかしな引きをする。

最後に、超高級魚のシマアジ。
キロ級になると、良型マダイ並に引くが、
重量感がなく、上層までよく引くので、
比較的わかりやすい。

鯛ラバは、大ダイやヒラマサを釣る方法としては、
もっとも細いラインとリーダーを使い、
ぎりぎりの勝負に、薄氷を踏む思いで挑む。
数多くの経験を積んでも、
いつまでもスリリングである。

だから、面白い。




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