低条件、低活性でも食いが立つという不思議


船流速度は、0.0km。
たまに、0.3kmになったり、
よくて、0.7km。
この条件ではほとんど船は流れず、
本命のキロオーバーマダイが釣れる可能性は、
普通、極めて低い。

それでも、釣れることがある。
それも、三時間で複数。なんてことも。
他魚はほとんど掛からない。
島でポピュラーなイトヨリダイやチダイも食わない。
例外は、カナトフグくらいだ。
こういう状況は、典型的な低活性。

好条件で高活性ならば、
他魚くらいは食らい付く。(ギャグ)
それも食わないとなると、
一般的には絶望的であろう。

しかし。である。
突如、がつん!とタイラバを咥え、
キュイーーン。とスプールが逆回転。
えっ、えっ?もしかして、マダイ?
と、驚いていると、
本当にマダイがコンタクトしている。

年間を通して、こういうことはあるが、
特に多いのは秋。
それは、水温が急激に下がる季節。
秋のサケをたらふく食べて、
冬に備えるヒグマのように、
マダイも、餌の乏しい厳寒期に備えようとする本能が働く。

その本能が、捕食スイッチを入れやすくさせる。
条件が整わなくても、
潮の僅かな変化でもパチンとスイッチが入る。
あるいは、ベイトの群れの下で活性化していると、
突然現れたタイラバに魅了されたように、
ガツン!と食らい付く。

0.0kmなのに、本命がコンタクトする。
たまたま掛かった。
あるいは運が良かったと考えられやすいが、
実は、上述のような理由があるのだ。

マダイは、そう簡単に釣れるものではない。
なかなか釣れない魚だから、
釣れた時には、原因を分析し、
得た情報を記録して蓄えていくと、
なるほど、釣れた訳はそういうことだったのか。
と、気が付き、納得する。
それが、実釣研究の面白さである。




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