条件も活性も良いのに食い渋る時のタイラバ


好条件、高活性。
なのに食いが渋い。
しばしば出くわす面白い状況である。
今回は、この事象に焦点を当て、
詳しく述べてみようと思う。

600回ほどの出船を重ね、
条件と活性について深く考えながら、
リトリーブしている頃から、
条件もいいし、活性も高いのに、本命が食わない。
という、まことに不思議な現象に気が付くようになった。

700回を超えた今、
この現象は、確実にある。
しかも、決して珍しいことではないことを知った。
経験した者にしか分からない、
大変面白い現象である。
鯛ラバの三大珍現象の一つと言ってもいいだろう。

イトヨリやチダイ、キダイなどの、他魚は掛かるのに、
本命のキロオーバーのマダイは掛からないのである。
居ないことはないし、プレコンタクトもたびたびある。
だが、どういう訳か、本命マダイだけは蚊帳の外。
鈎掛かりしてくれないのである。

マダイには他の魚と違って、
興味スイッチと捕食スイッチがあるということは、
かなり以前から理解していたが、
好条件で高活性ならば、楽に捕食スイッチが入るものと思っていた。
しかし、実態はちがっていたのだ。

何らかの理由で、興味スイッチのままで、
捕食スイッチを入れることなく、
タイラバに近づいて、ちょっかいを出し、
エサでないことを悟ってその場から去る。
そういう本命のなんと多いことか。

では、捕食スイッチを入れるには、
どういった条件を加えなければならないか。
それは、まだよくわかっていない。
ひょっとしたら、この未知の条件は、
マダイ本人に聞いてみないとわからないのではないか。
あるいは、当の本人にもわからないかも知れない。

ただ、補色スイッチが入らなくても掛かる可能性はある。
それは、「釣三丸スタンダード」というタイラバを使うことだ。
「好条件、高活性、食い渋り」という状況で、
何とか本命を一尾掛けた日も決して少なくはない。

ネクタイやスカートをかじって、味見をしている内に、
口の外回りに鈎が掛かってしまうからである。

「釣三丸スタンダード」が普通のタイラバより、
ほんのわずかだが、優位性があるのは、
食い渋りであっても、ちょっかいを出している内に、
鋭い鈎先が口の外側に掛かる可能性が、
「少しだけ」高いということにある。

取るに足らないような差だとは思うが、
一日頑張って、一尾かゼロか。
その差は限りなく大きいと思うので、
このタイラバしか使えなくなってしまった。




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