条件は好くても活性が低いこともしばしばだが


船が程よく流れ、ラインも斜めに入っている。
というような好条件でも、
活性が低い時が意外に多い。
魚も常に餌を獲ろうとしているのではないらしい。

条件が好いと、ワクワクしながらリトリーブをするだろう。
だが、あれえ〜。と思うくらいコンタクトが無いこともしばしば。
魚がタイラバを追って来ないのである。

追うということは、少なくとも興味を示し、
隙あらば食ってやろうという意思はあるはずだ。
だが、活性が低いと、興味すら示さない。

目の前を通っても追おうとはしないばかりか、
海中のゴミ程度にしか見えていないだろう。
いや、そもそも目に入っていないのではないかという節さえある。

海には、どうやら、ランチタイムというのがあって、
のべつ幕なし捕食意欲があるという訳ではないらしい。

では、どのような時に、食事時となるか。

まずは、潮に変化が起こった時。
特に、干潮満潮前後は変化が大きいので活性が高まる。
0.9kmで流れていた船が、1.4kmになるような時、
満を持せていたかのようにマダイがコンタクトした。
そのような経験は数知れない。

前後でなくとも活性が上がる時もある。
干満潮前後ほどではないが、活性は上がる。
起伏の多いエリアでは、潮の動きが複雑である。
瀬にぶつかった潮が大きな変化をもたらしたりする。
その時が短時間のおやつタイムになるものと考えられる。

ベイトの群れが現れると活性が高まる場合も多い。
魚探にスクールが映っている時は要注意だ。
更に、ナブラが湧いている時など、
海面の青物に触発されて、底に居るマダイも活性化する。

急に風が強くなって、糸がインクラインになったら、
途端に活性が上がったということもある。
垂直に落ちていたタイラバが斜めに泳ぐようになり、
タイラバの泳ぎに魅力が加わったからだろう。
女性が化粧によって見違えるほどになったということに似ている。

最後に、魚の個人的な理由がある。
たまにだが、こんな低い条件でよく掛かったものだ。
と驚くような大物がコンタクトすることがある。
そのほとんどが、腹がぺっこりと凹んでいる。
つまり、その魚が空腹に耐えかねて、
捕えやすい速度でひらひらと泳いでいるタイラバを、
またとない餌だと思って、食らい付いたという訳である。

以上のような理由で、
条件さえ好ければ、たとえ、魚の活性が低くても、
粘っていれば、まれに高活性な魚に出くわすこともある。
それを信じて、長時間リトリーブを続けるのである。




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