圧倒的な釣果をたたき出した?タイラバ


あるタイラバの新製品は、
フィールドテストで「圧倒的な釣果をたたき出した」らしい。
そういうことが可能であるかどうか考察してみたい。
私は、圧倒的な釣果をたたき出したことはないが、
実釣の回数だけは、圧倒的だと思うので、
一考に値するのではないかと思う。

この新製品(上のリールではない)の
最大のメリットと思われるものは、
タイラバに味が付いていること。
生エサにかなり近いのではないだろうか。

マダイは、興味スイッチのままタイラバに近付き、
くわえて味見をすることがある。
餌でないことに気が付くとさっとその場を去る。
シリコンゴムにはアミノ酸が無いからである。
その欠点を補っていると思われるのがこの新製品だろう。

問題は、「圧倒的」という言葉。
私の釣三丸スタンダードというタイラバは、
4年間の歳月と、500回以上のフィールドテストを重ねて完成した。
テストの回数としてはまちがいなく「圧倒的」だろうと思う。
しかし、釣果はとても圧倒的とは言えない。
一般的なタイラバに比べて、
せいぜい、一、二割程度の釣果アップに過ぎない。
つまり、大差ないのである。

「釣三丸スタンダード」でもっとも釣果が良かったのは、
2時間でキロオーバーのマダイを6尾。
これは、「圧倒的」に近いと言えよう。
私自身、唖然としたくらいだった。
しかし、それが最高で、たった一度しかない。

「圧倒的」と言う場合、他との比較が必要である。
例えば、一般的なタイラバと新製品を比べると、
同じ船で、同じ時間に、
普通のタイラバでは、2尾の釣果だったが、
新製品では、6尾だった。
まあ、このくらいの差がなければ、「圧倒的」ではない。

一度や、二度では駄目で、
少なくとも20回くらい同じような釣果の差があった。
というくらいなければ、「圧倒的」という釣果は、
どうにも胡散臭くなる。

言葉では何とでも言える。
数多くの実釣データを積み上げてからでないと、
「圧倒的」という言葉は使えない。




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