追い食いを詳細に検証してみると


ヒラマサのように、
いきなりガツンと食って鈎掛かりというより、
マダイの本命がぐいっ、ぐいっ。
と追って来て、ぐいんと鈎掛かりする方が面白い。
鯛ラバの妙味はここにあると言っても良い。

いきなりガツンでも、その後のやり取りは面白いが、
ぐい、ぐい、ぐいん。は、
魚との接触を通じて、大きなワクワク感を獲得することができる。

ぐい、ぐい。でおしまい。
というプレコンタクトでもいい。
ぐいん。ガツン。となれば最高だが、
一瞬の期待感は持つことができる。

ぐい。というのは、ネクタイにちょっと噛みついて終わり。
賢いマダイは、タイラバが生き物でないことに気が付いている。
なーんだ。食えねえじゃないか。
と、すぐに去って行くのはあまり楽しくない。
活性があまり高くないという証でもある。
少なくとも、複数回の連続接触を感じたいと願う。

ぐいっと来ても、リトリーブを続けていれば、
タイラバが泳いで逃げていると勘違いして、
アミノ酸の味覚はなくとも、動きに惑わされて追っていく。
つまり、視覚的誘惑が、味覚を凌駕しているという訳である。

追い食いは、マダイにある程度の活性が必要であるが、
それ以上に、タイラバの泳ぎが大事である。
一度目の接触で、鈎絡みしたとしたら、もう追わない。
ネクタイのひらひら感が失われると、
視覚的魅力は無くなってしまうのである。

うまく、鈎絡みからのがれ、
ひらひらと泳ぎ続けたならば、次の接触を招く。
ベイトに食い付いたのに、口から離れて、
逃げて行こうとするものだから、
マダイの脳は、興味スイッチから捕食スイッチに入れ替わる。
そして、捕食行動の勢いが増し、
がっちりと鈎掛かりするのである。

その間、せいぜい2、3秒。
それが、スローモーションのように、
釣り人の脳の中で、はなばなしくイメージ化される。
そこが、まさしく、釣りの醍醐味と言えるだろう。

追い食いと、それに続く鈎掛かり。
ギュイーーーン。という釣果音と、
ヒヤヒヤ感満載のやり取り。
そして、玉網入れというフィニッシュ。
これらが、すべて、鯛ラバという釣りに内蔵されている。

さあ、鯛ラバに出かけよう。






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