釣果にはこだわらず自然に委ねる釣りが面白い


鯛ラバは、やればやるほど難しい釣りだと思う。
それだけに、釣果にこだわると、
楽しいはずの釣りが、釣果に支配されて、
楽しくなくなってしまいかねない。

出船10回につき、1度くらいは、
本命ボウズの日がある。
本命というのは、1kg以上のマダイのこと。
根魚なども1kgを超えれば、
本命ボウズとは言わない。

島は豊かなので、食材が尽きることはなく、
毎日、鮮魚をいただいている。

本命はボウズでも、
キロ弱マダイや、チダイ、キダイ、イトヨリダイ、アオハタなど、
美味しい魚はけっこう釣れるのがほとんどだ。
ぜいたくな話だが、
キロ以下では、切り身の量が少なく、
もう少し大きくなってほしいので、
わが天然生簀に放流することにしている。
無駄な殺生は慎もうと考えてのことだ。

今でも、本命が釣れるまで粘るが、
以前ほど、こだわらないようになった。
ひとつは、釣れる釣れないは、
ひとえに、自然条件が良いかそうでないかということで、
こちらの努力ではいかんしがたいものだからだ。

私と同じような釣り環境の方がおられて、
たまにブログの記事を読ませてもらっているが、
ほとんど、釣果らしきものはない。
アイナメが釣れなかったので、ワカメを採ったという具合で、
貧果の連続だが、淡々と記事を載せている。

大都市の港に船を係留しているので、
それも仕方ない話ではあるが、
彼は、純粋に海が好きだということがよくわかる。
私も出船して島の海を眺めるのを楽しみにしている。

しかし、出船の半数以上がもし、本命ボウズだったとしたら、
島を離れ、別の場所へ移り住むことになるだろう。
釣果もさることながら、マダイを味わえなくなるのはつらい。

ただ、五年近くマダイを追い求めていたら、
ぼちぼちと、釣果にこだわる気持ちが薄れてきたのを感じている。
それほど満足させてもらったということだが、
魚を収入源にしている訳でもないのに、
血眼になってまで釣ろうという気持ちは影をひそめた。
魚で飯を食っているのは事実だが。(笑)

釣果よりも、自然に溶け込み、
自然にまかせて釣りをしながら、
鯛ラバを通して、マダイの実釣研究をする。
実は、それがいちばん面白い。
なので、釣れる釣れないは、自然次第であって、
それで一喜一憂するのは、まだまだ釣りを知らないということなのだろう。

そこそこに釣れればいい。
「足るを知る者は富む」
お金ではなくて、頭や心が富めばいい。
と、そのように考え始めている。




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