八日ぶりの出港となった。 岸近くの、定番ポイントから始める。 船流速度は0.0kmだ。 釣れるはずがない。
小型のイトヨリダイが一尾掛かったのみだった。
しばらく粘ってみたが、アタらずに、 百メートルほどの移動を繰り返した。
が、どこも0.0kmと、無風なだけに動きがわるかった。
ならば、大幅移動を決行してみようと、 二キロメートルほど動いた。
すると、・・・。 そこは、いい潮が流れていた。 1.2kmから1.6kmの範囲で、 程よく船が流される。
どうやら干潮前の潮が動き始めていたようだった。
上潮と底潮との落差が大きく、 無風なのに、潮ボケがすぐにきそうなくらい、
インクラインだった。 これで釣れぬはずはない。 と、思っていると、・・・。
キュイーーーンの響きがあり、
いい引きを味わいながらゲストが良型を掛けた。
きれいなメスなので本来ならリリースすべきが、 内臓が大きくはみ出していて、 キープすることになった。
続けて船長にアタリ。
短い釣果音が二度あって、 中型が上がってきた。
これもまたメス。
今度ははみ出しもなく、無事放流することができた。
好条件は続いていた。 1.6km前後の速度で流されていた。 籠網の旗を目印に、
離れては戻りの繰り返し。 こういう時は、大物の期待感も増す。
干潮直後の潮が、大ダイの心をくすぐったようだった。 ギュイーーーーーン。
おおっ、きたっ! ギュイーーーーーン。 まるでヒラマサのような強烈な糸出しだった。 走り回らないので、早いうちにマダイだと分かったが、
まあ、竿をあおるのが重いのなんのって。
心地よい苦労を重ねて、 80cmの大ダイがばさっと浮かんだ。
80cm級は、六月では二尾目である。 釣三丸では、80cm級のコンタクトは、 三か月に一度というのがアベレージであるが、
ひと月で二尾というのには、やや驚いた。
昼近くになっていて、 ぽつりぽつりと雨が落ち始め、 それが終了の合図となった。
入梅期の釣行は、 成功裏に終わった。 と言ってよいだろう。
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