天気予報では北風が4mで、 出航は午後からの予定だったが、 朝の海は穏やかだったので八時半に出航した。 うねりはたいしたことはなかったが、
風が強くて釣り辛かったので、 沖へは行かず、港からほぼ海岸線に沿って、 最初から最後まで、船を移動させずに、 放浪流しをした。
小漁師仲間のAさんは、
カマスの群れが十月からいて、 カマス釣りに専念するとのことだった。
海水温度が十五度で活性が低く、 釣り始めて一時間は、
船長と私にそれぞれ一回ずつ、 反応があったきりだった。
船長の「そろそろ釣れないかな。」 というつぶやきの直後、
「なにかかかった。」と思ったら、 私に46cmのオスの本命が釣れた。
昨日からよく寝ていたので、
酔いは大丈夫かなと思っていたが、 下を向いたら少し心配だったので、 船長に処理をしてもらった。 早く、一人前の助手になりたい。
その後もなかなか反応がなく、 私はチダイ一尾、 船長はイトヨリダイ一尾だった。
産卵のために南から、
マダイの群れが移動してきていると思われたので、 港から近いポイントを流し続けていた。 魚群探知機には大型や、
中型のマダイの魚影が数多く映し出されていた。
「この辺りは鯛がいるよ。」 と船長さんが言ったその時、 船長が「来た!」と叫んだ。
竿が大きくしなって、 ギュイーンと糸が逆行しているではないか。 長い間、見ていたら、 ようやく海中にその姿が見えた。
大きい! うろこはオレンジっぽい色で、 おでこがぼこっと出ている、 68cmの準大ダイだった。
握手をして記念撮影。
今日は一発でばっちりアングルが決まって、 私も満足だった。 普段は、撮り直しを5回はする。 船長が私を撮る時は、いつも1回で終わる。
切り身が少なくなっていたので、 願ってもない釣果だった。 風が強くて、釣り日和とまではいかなかったが、
ゲストから見習い助手に昇格して、 二度目の釣行を楽しむことができた。
釣三丸助手・記
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