風波で、出港が難しいような予報だったが、 気圧配置をよく見ると、どうやら大丈夫なようだった。 ゲストが心配して連絡してきたが、
「大丈夫だよ。」の一言で、福岡からやって来た。 7年近く島で船を走らせていると、 微妙な風具合での出船判断がほとんど当たるようになった。
波とうねりはまだまだ大きかったので、 港周辺から始めた。 相当数の海鳥が飛び交っていた。 カツオドリとカモメ。
カツオドリはダイブしてベイトを獲り、 それができないカモメは、横取りをねらっている。
それだけ、ベイトが多いのだが、
あまりに多いと、魚たちは、ベイトばかりに目が行って、 ルアーは、ゴミと思っているようだ。 港近くでは、巨エソがゲストのタイラバをもぎ取っていった。
更なる犠牲は嫌だったので、慌てて場所移動。 魚探には、かなり大きなスクールが映っていたが、 港前よりはかなり少なかった。
それが、功を奏してか、ぐいぐいっと反応があった。
引きは大したことはなく、 ゲストにはキロ級くらいのマダイかなと伝えていると、・・・。
危険を感じたのか、突然激しく糸を出した。
ギュイーーーーーン。 あらら、大ダイだったんだと、気合いを入れた。 ギュイーーーーーン。
ギュイーーーーーン。 おおっ、これは相当でかいぞ。と期待した。 ごり巻きで歯が立つ相手ではなく、 指ブレーキを掛けて竿をあおっては、
浮き上がった分だけ巻き取るという作業を強いられた。
なんとか、中層まで浮かしたが、 それでも、糸は出て行く。
おや、これは大ダイではなく、 ヒラマサだったんだと悟った。
ゲストに仕掛けを回収してもらい、 船首に行って、
右に左に竿を動かしての、 難しいやり取りを続けた。
あー、きつっ。を連発しながら、 ようやくヒラマサが玉網に入った。
サイズは、88cmだった。 さすがはヒラマサというパワフルな引きだった。
船長は、これ一本で満足し、トーンが下がった。 本命はゲストに譲ろうと思っていたら、 その通りになって、次々に中型マダイを掛けた。
掛かった順に、
50cm、52cm、45cm、47cm、46cmと、 5尾のキロ級マダイがコンタクトしたのである。 (画像は、その内の3尾、2尾省略)
産卵期は、オスはオス同士で集まる傾向があるが、 その通りだったようで、 5尾の内、4尾までがオスだった。
最後にゲストが釣り上げたのが、 唯一のメスで、もちろんこれはリリースしたのだが、 1回の出船でオスが4尾というのは、
ひじょうにめずらしいことである。
昼前に納竿し、港でさばくことにした。 ゲストは、中型マダイを4尾と、
船長がさばいたヒラマサの切り身半分とカマを、 お土産にすることができ、 たのしい釣りだったとよろこんでいた。
今日は、今年初めての、
マダイの稚魚を見た。 メダカより小さい、生まれたばかりの稚魚が、 漂流物と勘違いして、船の周りに集まってきた。
数匹だったが、毎年これを見ると、 うれしい感動を覚える。
三月下旬。 産卵は確かに始まっていた。
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