あらら、もう4時間も経っちゃったよお。 最初の良型ゲットの余韻もすっかり薄れ、 この間アタったのは、リリースサイズのアオハタと、
食い渋り時の定番である、ホウボウが1尾。 せめて小型マダイでもアタらぬものか。
本命をあと1尾と、粘りに粘っていた。 厳寒期となって、島は暖冬だが、時化はいつも通り多い。
いや、例年にも増して多いくらいだ。
1週間に1度、下手をすると10日に1度。 そういう悲惨な出船率となっていた。 だから、今日のような凪ならば、 5〜6時間は海上で過ごそうと思っていた。 今日の船長は、めずらしいほどに、根性があった。
大潮なのに、潮の動きがやたらと遅い。 低活性の日は、せめて潮が大きく動いてほしいものだ。 あきらめ気分で、納竿の機会を伺っていた。
すると、これまで、1.0km前後の船流速度だったのが、 2.0km以上にアップしたのをGPSで確認した。
20巻きあたりで、追って来る魚がいた。
そのままゆっくり5巻きほどしたら、がつ、がつっとコンタクト! キュイーーン。キュイーーン。と糸が出た。
うわあ、やっぱりきたよ。と、なつかしい感覚を楽しんだ。
50cm弱の中型マダイだった。メス。
「おひさしぶりねえ♪」と鼻歌混じりに記念撮影をし、 海へお帰りいただいた。
本来なら、2尾目の本命をゲットして、
5時間が経過しているので、納竿にするはずだった。 だが、潮の動きがあまりに改善されていたのだ。 これは、トリプルコンタクトも有りかな。と、直感が閃いた。
これで止めたら、男がすたるとばかりに、 緊張感を持って、リトリーブしていた。
(後編へつづく)
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