1月14日(2)

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単独では、本命が一尾でも釣れていれば、
4時間を超えることはあまりない。
特に、漁の日で、加工作業がある場合は、
冷凍室に切り身を仕舞い終えるまでに2時間を要するから、
実釣2時間以内で納竿することも多い。

釣りの日(アングラーズデー)は、
魚をキープする必要がなく、魚の引きを味わう為だけの日で、
さばく手間を省けるので、その分、釣行時間が長くなる。
キャッチ&リリースは、意外に面白い。
特に、美しいマダイが泳ぎ去って行く後ろ姿は、
拍手ものである。

さて、中型ながら苦難の末、本命を得て、
6時間近くが経過していた。
ちょうど午前8時に出港し、もうすぐ午後2時になる。

それでは、これで最終フォールにしようと、
タイラバを海中に落とした。
今日は、潮の動きが極めて遅く、
最高でも船流速度が1.2kmしかなかった。

ところが、この時、目を疑った。
速度計が、1.8kmになっていたのだ。
水深は、70mちょうどくらい。
海面水温は、16℃。
糸は、ほどよくインクライン(斜め)だった。

「大ダイ流れ」を感じた。
大物が釣れそうな気配がしたのだ。
このエリアでの大物の実績はゼロ。
中型なら数尾といった程度だった。
しかも、今日は活性がひじょうに低い。

突然のことだった。
底付近で、ガツ、ガツッとタイラバに反応があった。
掛かったなと感じたが、引きは左程ではない。
イトヨリダイの大きいのくらいだったと思う。

そのままハンドルを回していると、・・・。
ギュイーーーーーン。しばらくして止まり、
またもや、ギュイーーーーーン。
「大ダイ流れ」らしき雰囲気はあったが、
まさかの釣果音の大音響に慌てふためいた。
まさしく、青物の引きだった。
潮の抵抗が強いのもあって、ドラグがあってないようだった。
指ブレーキで、何とか引きをかわしつつ、
懸命のやり取りをした。

底を切った。
これでヒラマサでも取れると少しだけ安堵した。
大型のブリなら、まだまだタフなやり取りは続くだろう。
ちょうど6時間経過していたので、
体の疲労も並々ならぬものがあった。
もう勘弁してほしいというような引きだった。

ところが、中層付近で、ほとんど引きが止まった。
ん、ん?まさか、大ダイ?

海面近くで、ラインが表面を這った。
大ダイ特有の、「向こうでポッカリ」だった。



69cmの準大ダイだった。
計測して、目を疑うほどに、
堂々とした見事な体型だった。
70cmは優に超えているだろうと思っていた。

美しいオスの引きは、途中まで青物と変わらないが、
ここまで、冷や汗をかいたのは、あまり覚えがない。

低活性の条件だった。
ほんのわずかな大物の時間をとらえることができて、
まさしく、感無量だった。




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