本命を3尾、うち、良型を2尾という、
最近では珍しい好釣果を得て、 余裕の最終流しをしていた。
船流速度は2.4kmと、 最高時の3.7kmからすると、落ち着いてきたが、
それでも速いというのが、このエリアである。
仕掛けが着底して、2、3巻きしたところで、 ぐぐーっ。何かのコンタクトがあった。
かなりの重量感があり、根魚の大物だと感じた。 すかさず、根から離そうと、竿をぐいっとあおった。
キュイーーン。と釣果音がした。
キロ級のハタを掛けるとよくあることだ。 しめしめ、これはアコウ(キジハタ)の大物だ。 美味な照り焼きでも作ろうか。 と、捕らぬ狸の皮算用。
重みはたっぷりあった。 引きは大したことはない。 だが、根魚とはややちがうなあ。 と、多少の違和感を覚えていた。
もしかして、イラの大物? 嫌な予感が心をよぎった。
ゆうらりと、魚が海面に現れた。 平たくて、茶色。
ええっ、もしかして、・・・。
やった!と思わずガッツポーズだった。 年に一度という、まことに貴重な魚だった。 その名は、ヒラメ。
サイズは、52cmの中型だったが、これでじゅうぶん。
薄切りにしてサッと湯をくぐらせ、 ゴマドレッシングで味わうのがお気に入りである。
島では、カマスの群れが入って来ると、 ヒラメが集まって来るのだが、 タイラバに反応することはほとんど無い。
6年半でたったの4枚という、少なさなのだ。 泳がせ釣りがいいのだが、 ヒラメより先にエソが食い付いてくる。
ともあれ、希少な魚を得て、
正直、うれしい。 海の神からの、「お年玉」だった。
ありゃーす!
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