無風だったので、 風が無くても大抵潮がよく動くという、 実績があるエリアへ向かった。 ところが、その海域を1時間ほどランガンしたが、
見事なまでにアタリが無かった。 船流速度は0.0kmのまま。
今日は、二人のゲストが乗船しているので、
潮が動くまで待つ訳にはいかなかった。 過去の実績やデータは当てにならない。 とは分かっているものの、
取り敢えずはデータを読んで実釣場所を決めざるを得ない。 しかし、当ては外れるのが常(つね)。 ほんとうに、海という自然はむずかしい。
大幅移動をした。 と、ようやくゲストにアタリがあった。 キュイーーン。が一度だけ。 重そうに巻いていたので、根魚だと判断した。
大物でありますよに。と願っていたら、 超高級魚のアコウ(キジハタ)だった。 よし、やった!とよろこんだ。 これが、本日初のコンタクトだった。
体長48cmだった。
いいサイズだ。きっと美味いことだろう。
もう一人にもいい引きがあった。 キロ級の本命かなと予想していたが、
僅かに規定サイズには届かない小型マダイだった。 ざんねん!
それからというもの、 小型魚の激釣となった。
本命のキュイーーン。を聴きたかったので、 ランガンを重ねるが、 行くとこ行くとこ、次々に小型魚ばかりが食ってきた。
船長が忙しかったのなんのって! ゲストが二人で次々と竿を曲げるものだから、 鈎を外して〆て血抜きをして内臓を取り去る作業を、
断続的に強いられ、息つく暇もなかった。
小物は逃がし、食べごろサイズのものだけで、
チダイ12尾、イトヨリダイ4尾、アオハタ2尾などなど。 他魚とはいえ、これほどの激釣は過去に覚えがない。 おまけに、小型マダイは7尾以上釣れた。
大物マダイを一尾でもと、あちこち回ってみたが、 とうとう釣果音は聴くことなく、最終流しとなった。 準本命は釣れたものの、本命がなかった。
と、ようやく本日一番のいい潮が動いた。 ガツッといいアタリがあって、ぐいぐいっと首を振る。 よし、今度こそはと釣果音を期待したが、
キュイ、キュイという微音で終わってしまった。
体長は、47cmの美しいマダイだった。
最後にきて、何とか本命を戴き、ほっとひと安堵。
二日前には、大ダイが来たんだがなあ。 と、思いつつ、秋の行楽日和の海を後にした。
大物マダイの釣果音を聴けなかったゲストも、 他魚や小型魚の入れ食いを堪能したようで、 心から「楽しかった。」と言っていたようだった。
「質より量」の釣りで、 初めて、満足感があったように思う。
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