六日ぶりの出港となった。 月曜から金曜まで、絵に描いたような時化だった。 待ってました!とばかりに船を出す。
大陸発の汚染物質も無く、
さわやかな大気が心地よかった。
昼近くから北東風4mとの予報だったので、 早めに釣れて欲しいと思っていると、
うれしいことに、条件が好かった。 糸はいい角度でインクライン。速度1.2km前後。 なかなかいい感じである。
一投目からコンタクト。
ポンポンといい型のチダイが上がった。 他魚の活性は高いようだ。 キロサイズのイトヨリダイも鈎掛かりした。
本命が欲しいんだけど。と考えていると、 小さなキュイーーン。とともに、マダイがコンタクト。 チダイの上をいく引きを楽しんだ。
オスの中型マダイだった。
今日は、オールリリースデー。 海へ返すと、元気よく去って行った。
次々にコンタクトするものだから、忙しい。
おーいお茶の秋バージョンを飲んでいるヒマもない。
A級ポイントからややずれて船は流れていた。 そろそろ、満潮から下げの潮が動く時間帯だった。
大物がくるなら、今からだなと、 そのポイントを通過するように始動点を変更した。
がつ、がつっと魚信があった。
ぐい、ぐいっ。と重々しい鈎外し動作が感じ取られた。 何だか、大ダイっぽいな。と思った次の瞬間。
ギュイーーーン。と力強い釣果音が奏でられた。
始めはタイラバをなめて、外しにかかり、 それがかなわぬと、糸を引きずり出すという、 大ダイ独特の所作だった。
だが、その魚は、中層になっても、 ギュイーーーン。と引いた。 グイン、グインと硬い引きを数回繰り返す。 ん? もしかしてヒラマサ。
と思えるくらいのナイスパワーだった。
上層に来ると、 ようやく大ダイ特有の「向こうでポッカリ」があって、 大きな魚体が姿を現した。
8月11日以来の大ダイだった。
なつかしさに、感動すら覚えた。
オスだったが、リリースしようと、 はみ出していた内臓をエア抜きをして、 両手で丁寧に中へ押し込んだ。
玉網に入れたまま海中で泳がしていると、 幸いにも、回復して、帰りたいという仕草をするようになった。
玉網から解き放してやると、無事に棲家へ戻って行った。 ああ、よかった。
その後、ふたたびキロ級のイトヨリダイを追加して、
満足の内に納竿することとなった。 実釣時間は、一時間半。 えっ、まだこのくらいしか経ってないの。
と思うくらい慌ただしくも愉しい釣行日となった。
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