前回の奇蹟のようなコンタクトの余韻は、 まだ、船長の頭に残っていた。 気のせいか、海が愛(いと)おしい。 ああいいうドラマがあると、
こちらもうれしい気分が長続きする。 彼女がいい人だけに、心からよろこべる。
さて、今日の条件はとても良かった。
流石(さすが)は北東風といったところか。 条件がいいので、比較的近場を流すことにした。
すると、いきなり、キュイーーーーーン。
さっそくの本命かと期待した。 だが、釣果音はその一度だけ。 なんだ。マダイではないのか。 と、やや気落ちしていた。
どうか、エソでありませんように。
今日は、オールリリースデーだった。 本命を一尾釣って画像に収めればそれでよし。
重量感だけが手に伝わっていた。 そのままごり巻きしていると、 思ってもみなかった魚体が姿を見せた。 おおっ!超高級魚のタカバだったのだ。
49cmあった。2kg近くありそうだった。 早々と準本命を釣ってしまい、 ひゅるひゅるーとモチベーションが低下した。 この魚、高級魚だけに、
さすがに、リリースにはためらいがあった。
船は、港の方角を目指して流されていた。 このまま、放浪流ししながら帰ろうと考えた。
さすがは、好条件、高活性。
リリースが面倒なくらい次々と魚が食ってきた。
本命は一度、鱗外れのコンタクトがあったのみ。
一本の鈎には二枚、もう一本には一枚鱗が刺さっていた。 何とも念入りな鱗外れには、笑ってしまった。 大きなマダイらしき鱗だった。
今日の釣りは、二時間で終了。 マハタをさばいて切り身を作った。 「タカバ丼」にありつける。
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