9月23日

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無風ベタ凪ゆえの低条件だった。
船は0.7kmで動くのが精一杯。
それでも、活性は高く、食いも比較的良かった。

したがって、ほぼ入れ食い状態。
チダイ、小型マダイが落とせばすぐにコンタクト。
二桁を稼ぐに大した時間は掛からなかった。
鈎の点検に追われた。
だが、本命はアタらない。

おそらく、タチウオやサワラも多かったようで、
早々と、6セットもの鈎が失われた。
6セットというのは、鈎ロスの新記録であった。

昼前に、福岡からゲストが二名やって来る予定だった。
観光がてらに、ちょっとだけ船に乗ってみたいとのこと。
お試しクルージングとでも言おうか。
それまで、お土産を釣っておこうと思っての出港だった。

次々と、サワラに仕掛けを奪われつつも、
チダイに加え、良型のアオナと、
超高級魚のシマアジがコンタクトした。
たっぷりとお土産ができたのは幸運だった。

シマアジは、人にはまずやらないのだが、
ゲストは、好感の持てるいい人なので、
大盤振る舞いすることにした。

一度だけ、わずかな糸出しがあって、
ぎりぎり本命かなと、釣り上げてみると、
45cmちょうどのジャッキーだった。



これは、お土産にはやれない。
気持ち良くリリースした。

三時間で、お土産釣りを終了し、
港へ帰って、鱗と内臓を取りながら、
ゲストが来るのを待っていた。

午前11時にゲストが到着。
ほぼ手ぶらで船に乗せ、
船内備品のライフジャケットを付けてもらい、
いざ、出港!
初乗船のゲストは、不安そうに、
もう一人のゲストの腕にしがみついていた。
ちょっと、不思議な光景だった。
地上に足が着いていないと、落ち着かないそうだ。
船も飛行機も駄目。

沖に向かっていると、
「もうそろそろいいですよ。」
との声が掛かったので、停船。
まあまあのポイントの上だった。

せっかくだから、鯛ラバという釣りのやり方を、
教えてみることにした。
鈎は最後のワンセットだった。

落として巻くことを教え、
リトリーブの速さも丁寧に伝えた。
掛かっても止めずにそのまま巻き続けることも。
釣りをやったことがなかったので、
「アワセないように。」という指示は不要。

一度、小型のイトヨリダイのような引きがあったが、
途中で、鈎外れしてしまった。
ちょっと残念。

巻きスピードと、同じ速さで巻くことを教えようと、
実際にやってみせた。
彼女は飲み込みがいい。
始めてすぐにリトリーブのやり方を覚えた。

と、突然。

キュイーーーーーン。と強烈な釣果音が聴こえた。
慌てているようだったので、
竿を受け取って、いなしながら、サイズを確認した。
ああ、これなら大丈夫だろうと、
フィニッシュまでは自分でやらせることにした。

魚が 海面に上がって来ると、
大きさと重さにびっくりしたようで、
「きゃあー。きゃあー。」という叫びを連発していた。

もう一人のゲストに玉網で掬ってもらって、
無事、ランドオン。



59cmの準良型だった。
あっぱれ!

そもそも、釣りをするはずもなかった人が、
たまたま、竿を手にして、
ほんの僅かな時間で、
りっぱな本命を手にしたのである。
これほどのビギナーズラックはなかろう。
まさに、ミラクルである。
今年一番のドラマだった。

今回も、海の神の粋な計らいに、
大いに感謝しつつ、
三十分程のビックな「おまけ付きクルージング」を終了した。




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