南寄りの風で、大潮なのに条件は最低レベルだった。 前回も好くなかったが、それ以上。 ずっと0.0kmが続き、他の数字になっても、
すぐにゼロに戻る始末。 これほど船が流れない日も珍しいくらいだった。
典型的な低条件、低活性で、
カナトフグがネクタイを食いちぎりながら上がって来た。 フグだけは、条件に関係なく食ってくる。 せめて、チダイくらいアタらないかなと願ったが、
そのチダイすらアタらない。 風も弱く日差しが残暑めいていて、 かなりの暑さに、疲労感も漂った。
低条件、低活性なのに、
本命の食いだけが立つこともある。 これは、釣三丸スタンダードならではの現象かも知れないが、 がつん!と、コンタクトがあった。
ぐい、ぐいっと竿を曲げる。 糸は出ないのでチダイか、小型マダイか。 更に巻き上げていると、 キュイーーン。が聴こえた。
おっと、これは、キロ級かも知れないと、 楽しみにしながらやり取りをした。
50cmちょうどのメスのマダイだった。
メスは産卵するので、リリースするが、 オスでも、食材がピンチでなければ、逃がす。 大ダイに育って、より楽しませてほしいと思っている。
これは、鯛ラバ小漁師の基本。 少しでも資源保護を考えたい。
続けて、がつんといいアタリがあり、 今度は、のっけから釣果音が聴こえた。
キュイーーン。程度だったが、数回あった。 おおっ、これは良型かとよろこんだが、 惜しくも、準良型であった。
このサイズになると、手ごたえもじゅうぶんなものがある。 低レベルな条件や活性でも、 本命の食いが立つ時間帯がある。
秋は特にそういうことが少なからずといったところだ。
30℃近くあった海水温が、 いつの間にか、25℃に低下していた。
今年は、水温低下が早そうだ。
冬にはまだ遠いが、 マダイたちは、冬への備えの為の、 捕食活動を少しずつレベルアップしていくのである。
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