台風一過の秋晴れで、 PM2.5無しの爽やかな気候だった。 五日振りの出港。 風が弱く、干潮後も船が動かない。 せっせと巻き巻きすれど、
コンタクトは無し。 1時間強が無為徒労と化した。
大時化の後は、よくあること。 大きなうねりが残っていて、体幹筋肉を鍛えた。
本命は駄目かなと、チダイポイントへ向かった。 さっそく、二尾釣れた。 今夜は、ムニエルでいただこう。
待てど暮らせど、船は流れない。
0.0kmを主体に、せいぜい、0.7km。 チダイポイントは過ぎていたが、 二尾で十分だったので、戻る気はしなかった。
そのまま、放浪流しをすることにした。 この流し方は、いい流れの日にしか有効ではない。 案の定、まったく魚信はなかった。
いや、一度、ぐいぐいっとあって、カナトフグ。 またもや、タイラバがボロボロとなった。
仕掛けをチェンジして、
その場から逃げるように、別のポイントへ行った。 公算があった訳ではない。 ただ、何となくである。
あーあ。マダイの美体を見たいものだ。
そう、思っていると、来た。 二十巻きで、がつん! キュイーーン。も出た。 やった。本命だ。とよろこんだ。 引きは大したことはない。
キュイーーン。は一度だけで、 あとは、キュイ、キュイである。 ジャッキーかなと予想していると、 50cm級のメスだった。
体長56cm。なるほど痩せているので、
引きが弱かったのか。と納得。 内蔵が僅かに出ていたが、このくらいなら大丈夫だ。 リリースすると、ゆっくりと手間取りながら海底へ消え去った。
ああ、よかった。ノルマ達成。 もう一尾で納竿にして、チダイの切り身を作ろう。 そう考えながら、リトリーブをしていた。
すると、また、すぐにコンタクト! がつん!ぐいん、乗った。 キュイーーン。キュイーーン。と、いい引きだ。 おおっ、これは良型かなと願ったが、
ポンピングするまでもなかった。
先ほどの本命より体長は無かった。 53cmのメスで、今度は、プリプリしていた。 栄養状態がいいマダイほどよく引くものだ。
弱っていたので、玉網に入れたまま、 海水に浸け回復を待ったが、 復帰するのは無理だったようだ。 それは、目を見れば分かる。
三時間以内に本命二尾というのは、 最初の段階では予想もしていなかった。 どんな展開が待っているか。 島の海はたびたび、大小のドラマを演出する。
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