台風18号がこちらへ向かっている為か、 明日からは時化が続きそうだ。 ならば、時化前の釣りを、 いつもより長目に楽しむことにした。
今日もかなり沖の方でアゴ漁が行われていた。 アゴが沖に居るということで、 おそらく、大物マダイはそちらへ遠征しているのだろう。
中型以上を一尾掛けて、 キュイーーン。を聴くことを目指した。
しかし、いつまでたっても、 釣果音が鳴らない。
チダイ、イトヨリダイ、小型マダイは、 よく竿を曲げてくれたのだが、 キュイーーン。までには至らない。 最大で、マダイの43cmだった。
アゴ漁の邪魔になるので、沖へは行けない。
どこかに居残りマダイはいないものかと、 あちこち転戦するも、 期待には応えてくれなかった。
条件はまあまあで、ラインの角度もいい。 PM2.5を除けば、涼風と、 曇り気味の空で、肌は快適だった。
そのせいか、あっという間に四時間が経っていた。 釣れない時ほど、時間は早く過ぎるように思う。 そろそろ、肘が限界で、おまけに肩まで痛くなった。
ちょっとやばいと思った。
これ以上は無理はできないと、 もう三十分だけ続けることにした。
満潮前の潮の動きが速くなった。
しめしめ、これはうまくいくかも。と望みが少し湧いた。 と、ガツン!と猛アタックがあり、コンタクト! ぐい、ぐいっ。キュイーーン。
待ち続けた釣果音が聴こえたのだった。 キュイーーン。キュイーーン。とよく引いた。
スタイルのいい中型マダイだった。
マダイの美魚コンテストでも入賞しそうなメスだった。 リリースすると、釣果音演奏で疲れたのだろうか、
このサイズにしては、ゆっくりと海底へ去って行った。
この一尾の手応えを胸に、しばらくの時化が凌げるだろう。 そんな思いを抱きながら、船を母港へ走らせた。
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