9月8日

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中潮で、満潮が9時半という日だった。
満潮前後を狙えば、本命がコンタクトすると予想した。
北北東の3mとあったから、
きっと条件が好いだろうと期待した。

期待は裏切られる為にあるものだ。
微風ベタ凪だった。
船流速度は0.9kmが精一杯。
低条件のカテゴリー内である。
ちなみに、0.0kmでは、最低条件となる。

アゴ網船団は遥か沖の方で操業していた。
まだ島周りにはアゴの群れが到達していないようだ。

したがって、おこぼれを狙う大型のマダイたちは、
おそらく、沖に移動していると思われた。
大物は、身体が大きい分だけ沢山の餌を必要とする。

なかには、島周りのテリトリーから離れない、
引きこもりがちな大ダイもいるだろうから、
沖でなくても、稀に釣れる可能性がない訳ではない。
そういうマダイは、とりわけ警戒心が強いのだが。

今日は、ジャッキーでいいかな。
兎に角、本命に会い鯛。

案の定だった。
せっせとリトリーブするも、本命が反応しない。
釣れるのは、チダイのみ。
かれこれ、四尾ほど釣っただろうか。
うち、二尾をキープして、食材にすることにした。

チダイは、みそ汁の具材として実に旨い。
歯ごたえがあって、脂肪分はマダイより多い。
新鮮なものほど旨いので、
いいチダイが手に入ったら、その夜はみそ汁となる。

おかずはもういいので、
本命を釣りたかった。
強い引きの手ごたえが欲しいのだ。

すると、チダイとは異なる引きがあった。
それも連続。
残念ながら二尾ともに、キロ弱マダイだった。
42〜44cmと、本命とは僅かな違いだが、
手応えでもそれと分かるようになった。
「大きくなったらまた会おう。」とリリースした。

まあ、いい。準本命ではあるものの、
本命に近付いてきたような気がしていた。

それから、しばらくして直ぐに、
がつん、ぐいーん。と魚信があった。
よし、乗った!
キュイーーン。キュイーーン。と糸も出た。
今度ばかりは、本命を確信したと思ったら、
ふっと軽くなって、鈎外れ。
だが、そのままリトリーブしていると、
がっ、がっ、がつっ。とまた、乗った!
別のマダイが追い食いをして来たのだった。
まことに珍しい事例である。

キュイーーン。という釣果音も、
先ほどよりやや小さかったが確かに聴こえた。
今度は、がっちり鈎掛かりしていた。
ちょうど、満潮前の潮が動き、
かなりの水圧が加わっていた。
50cm級かなと想像しながら、楽しくやり取りをした。



50cmちょうどの中型マダイだった。
オスだったので、丁寧に処理をして収めた。

ちょうど、三時間になろうとしていた。
低条件で食いは渋かったが、
最後に本命を拝見できたのは、ラッキーだった。

涼し気な気候となって、
本来なら、まだまだ秋を楽しみたかったが、
肘のことを考えると、そろそろ潮時(しおどき)であった。
何事も、無理はいけない。




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