九日ぶりの出港となった。 暑さを避けて夜明け直後に船を出したが、 日が昇ると、めきめき温度が上がり、 二時間ほどで釣りをする気が無くなった。
風はほどほどに吹いていたが、 快晴からの直射が凄まじい。 ズボンに熱がこもって、あっちっち。
船流速度は、0.9から1.2kmと、
まずまずの条件だった。
水温は28℃と、これも悪くはない。 活性が高く、アタリがないなあと思っていると、 がつ、がつっと来る。 小型のイトヨリダイが三尾掛かった。
が、大物らしき魚は、食い渋っていて、 鈎になかなか乗らない。 プレコンタクトがひじょうに多かった。 魚との対話があれば、
そこそこ楽しい釣りとなるのだが、 鈎掛かりが小物ばかりだと、退屈だ。
久しぶりなので、一度くらいは、
釣果音を聴きたいなあと願っていると、 がつっと反応があり、 ギュイーーーーーン。と一気に糸が出た。 おおっ、これは大ダイかと喜んだ。
が、最初の走りだけだった。 竿を上げて重さを確かめると、軽かった。
それでも、まあ、50cm以上はあるだろうと、
しばらくぶりの、やり取りを愉しむことができた。
55cmの中型のオスだった。
オレンジマダイである。 マダイは色によって、パワーが違う。 一にピンク、二にオレンジ、三が黒っぽいもの。 これは、オレンジだったが、
最初の引きだけは、強烈だった。
この一尾で、モチベーションがすーっと下がった。 釣果音が聴けて、本命がネットインすれば、
短時間であっても、「もう、いいかな。」と思う。 それほど、日差しがきつかった。
暑さに耐えて、もうしばらく頑張ってみたが、
やはり、プレコンタクトばかりだった。
潮が次第に緩くなり、 いよいよ渋くなるだろうと予想し、 納竿することにした。
トビウオ漁が解禁となり、 ざっと、十組二十艘が島周りで操業していた。
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