定番の南風だった。 大ダイとヒラマサの実績が高い、 深場のポイントから始動。 だが、反応はいまいちだった。
諦めて、浅場のポイントへ。 0.9km前後でゆっくりと船は動いていた。 あまりいい条件ではないが、 掛からぬこともないだろうと、
しばらく、リトリーブすることに。
潮に大きな変化を感じた。 すると、弟子の浜ちゃんの竿が海中に突っ込んだ。 ギュイーーーン。
ギュイーーーン。 ギュイーーーン。 これまでに数々の大物をニアコンタクトしているが、 これは、確実に大ダイだと感じていた。
しかも、80cm級はあるだろうと踏んだ。
「あれっ?軽くなりました。」 奈落の底に落とされるような、残念なひと言。
待ちに待った大ダイは、 またもや、露と消えてしまったのだった。
原因は、鈎が折られていたことだった。
そうなのだ。ドラグが強過ぎたということ。 鈎に負担がかかり、 三度の強烈な引きに耐えきれず、ポッキリ。
その後は鳴かず飛ばず。 三時間が経過し、
二人合わせても、本命ボウズが続いていた。 これでは、帰るに帰れない。 前回とは別の、トランプ・ポイントへ移動した。
切り札のポイントへ頻繁に行くと、 スレてしまって、切り札では無くなってしまうが、 ゲスト釣行での本命ボウズは防ぎたかった。
四時間が経って、最終流し。
またもや、浜ちゃんの竿が大きく曲がった。 この竿は、かなり柔らかい。 ドラグもゆるゆるにしていたので、
よく糸が出て行った。 よし、今度こそ大ダイコンタクトか。 と、カメラを動画モードにして撮影していたが、 海面に浮かんだのは、
一本の鈎だけが腹に掛かっていたスレマダイだった。 どうりで、よく引いた訳だ。
48cmのジャッキー(ジャストキロ級のマダイ)だった。 今度はドラグが緩過ぎて、 大ダイ並みの糸出しになっていたのだった。
がっかりはしたが、指ブレーキとポンピングのいい練習だった。
浜ちゃんは、着々と、腕を磨いている。 大ダイを手にするのも時間の問題である。
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