8月1日

コメント

「初」という文字がこれほど重なるのは珍しい。
滅多に無いというより、これが最初で最後だろうと思う。
そのくらい、稀に見る、ドラマとなった。
ひょっとすると、
宝くじで一等が当たるより難しいかも知れない。
7億円分の価値がある。 かな?

ドラマの主人公は、
弟子の浜ちゃんのいとこの松ちゃん。
浜ちゃんに誘われて鯛ラバ「初」挑戦となった。
もちろん、釣三丸の「初」乗船ゲストである。

今日は長潮で潮の動きがもっとも弱く、
風も無いので、当初から苦戦が予想された。
こういう時は、瀬周りを狙うしかないなと、
前回、中型マダイとヒラゴがコンタクトしたエリアへ直行した。

流れを確かめ、
瀬の真上辺りに停船した。

夜明け直後で、海中はまだ暗い。
20巻きでいいよと伝えて、実釣を開始した。

すると、松ちゃんのリールが唸っている。
ええーっ、もうアタったの。
「初」フォールの、「初」リトリーブでコンタクトしたのだった。
そ、そんなことって、・・・。

船長のタイラバはまだ着底すらしていなかった。
すぐに回収してサポートに回った。

ギュイーーーーーン。ギュイーーーーーン。
強烈な釣果音が聴こえた。
松ちゃんが歯を食いしばる音も聞こえる。
ギュイーーーーーン。
まずい!ヒラマサだと直感した。
ここは、瀬が荒いのだ。
瀬切れしないようにと、こちらもヒヤヒヤものだった。

とにかく手を止めないように、
巻き続けるように指示を出した。
ギュイーーーン。と、やや釣果音が低下した。
だが、まだ引きは強い。ギュイーーーン。

松ちゃんの頑張りによって、
意外に早く魚影が見えて来た。
「鯛じゃん!」浜ちゃんが叫んだ。
「でっけえー!」
浮かんできたのは、まぎれまなく大物マダイだった。



オレンジ色に輝く、オスのマダイだった。
体長は、ちょうど70cm。
何と、大ダイだったのである。

松ちゃんの人生で初めて釣った本命が、
初の大ダイだった!
なんということだろう。

初鯛ラバ、初乗船、初フォールの初リトリーブで、
初本命、しかも、初大ダイ。
釣三丸の歴史始まって以来の、快挙だった。
夢でも見ているのではないかと、
頬をつねったら、痛かった。

いきなりのドラマに酔いしれて、
その後は、鳴かず飛ばず。
かつてないほどにランガンを重ねたが、
それ以降、本命がコンタクトすることは無かった。
イトヨリダイは一時入れ食ったりもしたが。

浜ちゃんが、終わりの方で大物らしき魚を掛けた。
釣果音もたっぷりと聴かせてくれたので、
おおっ、二尾目の大ダイかと期待したが、
これまた、70cmという巨エソだった。ざんねん。

このエソは、浜ちゃんの祖母に、
エソ天にしてもらい、美味しくいただいた。
この天ぷらは、日本一かも知れない。
浜ちゃんには、次回も巨エソを釣ってもらおうっと。




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