南風が続いていた。 予報は4mとあったが、それほどでもなかった。 3mくらいか。 したがって、潮力と風力が拮抗していて、
ほとんどポイントが、0.0kmだった。
猛暑期の釣りは短時間で済ませたいものだ。 釣りをしないと、運動不足になるので、
暑くても凪であれば、 散歩がてらに出港するが、 長時間は、体調面を考えると難しい。 四時間以上散歩する人はいないだろう。
出船が続いているで、
「大ダイエルボー」をいたわることも考慮に入れる必要がある。 海の神はそれを知ってか知らずか、 このところ、中型しかお与えにならない。
心遣いに感謝するというか、 やや微妙な気持ちである。
本命一尾という課題は常に心のどこかにあって、 鯛ラバ小漁師は、ノルマ達成の為に船を出す。
一度でいいから強い引きを味わい、 コンタクト状況のデータを残したいと思っている。
港近くから、7回ほどの移動を重ねた。 だが、いずこも同じ秋の夕暮れ。
まったく船が動かないので、いささかうんざりした。
とうとう遠征になってしまい、 いつの間にか、隣の島の直前まで来てしまった。
ここは、その島に沿って潮が流れるので、 他のポイントよりは、潮通しが良いことが多い。
祈るような気持ちで、速度表示を眺めると、
0.7kmになっていた。 ないよりましな流れだった。
これには、本命がすぐに反応した。 ぐいっ、がつん、コンタクト!
キュイーーン。キュイーーン。 と、釣果音が聴こえてきた。
よし、やった。良型ならいいな。 ジャッキー。ではないだろう。
潮の抵抗が強いので、50cm級だろうか。 などと、サイズを色々想像しながらのやり取りが面白い。 緊張感はまるでないので、楽しんでいるだけ。
姿を見せてくれたのは、 思ったより小さ目の本命だった。
ちょうど50cmのメスの中型マダイ。 当然、リリースすべき魚だったが、
内蔵が派手に飛び出していて、再起不能。 丁寧に〆て、クーラーボックスへ仕舞った。
これにて、納竿。
今日も本命を釣らせてくれた、 島の海に感謝しながら、 心地良く船を走らせた。
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