実に、11日ぶりに出港。 大雨と雷が続いていたのだった。 梅雨末期はこのようになることが多いが、 今年は特別に凄かったようだ。
海が荒れる日もあって、 海底のマダイたちは、 釣三丸のタイラバを今や遅しと待っていた。
かな?
今日は、潮流の激しさといったら、
これまでで、経験したことのないような、 凄まじい勢いだった。 まさしく、激流。が続いていた。
南風が4mほどであったにもかかわらず、
なんと、その風に向かって船が流されていたのだった。 風を背にしてリトリーブするなんて。
始めの内は、浅場を転々としたが、 50m台の水深ですら、 20巻きの2回で潮ボケする始末。
とてもじゃあないが、釣りにならない。
普段は、0.0kmを避け、 少しでも船が流れるエリアを散策して回るのだが、
今日は、その正反対で、 少しでも船流速度が遅いポイントを探し歩いた。
だが、どこも2.0kmを超えていた。
島全体が、激流フィールドになったかのようだった。 こんなのあり得ない。
このところ、急激に表面海水温が上昇した。
おそらく、暖流が速度を増して、 島にやって来て、干満潮に加速度をつけていたのではないか。 そのように推測している。
厳しい条件だったが、 魚の活性も食いの状態も良く、 退屈することはなかったが、 釣り辛く、予想外でコンタクトしてくるので、
掛けても、何だか釣った気がしない。
始めに掛かった本命は、 オレンジ色ジャッキーだった。
メスだったが、まるで婚姻色のように、
腹の部分が黒かった。 この時期に、こういうメスも珍しい。 さっそく、お帰りいただいた。
次は、潮ボケしたので、
かなりの高速で回収していたら、 ガツン!ギュイーーーン。とコンタクト。 てっきりヒラゴだと思っていたら、 何と、準良型のマダイだった。
とにかく、元気が良かった。
体長は59cm。 このように美しいメスは、引きが強いので有名だ。 島の豊富なベイトに力づけられて、 産卵後、急速に回復したと思われる。
この舞姫も、竜宮城へお戻りいただいた。
今日は、近い将来の大ダイハンターになるであろう、 弟子の浜ちゃんが乗船していた。 彼には、三度、大物らしき本命がアタったが、
三度ともに鈎外れしてしまった。 一度は、鈎の鈍化によるもので、 二度は、単純な鈎外れのニアコンタクトだった。 このような厳しい条件下では、
鈎掛かりが、しっかりしたものにならないのである。
潮が良く動いていたので、 活性は高く、魚の食いも良かったが、
条件だけが厳しかったという希少な日だった。 こんな日はこれまでに覚えが無いので、 どのように対処すればよいかという、 方法が見つからなかった。
出船700回を超えても、 未体験なことは、頻発する。
海の変化は、毎日続き、 しかも、驚くような変化を提供してくれる。 だから、面白い。
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