6月27日

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ベタ凪。ほとんど無風。
船流速度は、
潮流れの1.1km平均で推移する。
条件は好い。活性はやや低い。
食いは、渋かった。

風が吹かないと、船の向きが安定せず、
ラインが船底方向に入ったり、
横に流れたりして、大変釣りづらい。
何度も、その場で船を立て直す始末。

底潮と上潮との落差はほとんどなく、
ラインはバーチカルだった。
総じて、大ダイは食わないような状況だった。
条件が揃わないと大型のコンタクトは難しい。

前回は、短時間だったが、
好条件、高活性、食い気良しという、
三つの状況が重なって釣り上げることができた。
今日は、どうだろう。

経験的には、こういう日は、
ジャッキーがせいぜいだろうと踏んでいた。
本命なら御の字である。
ジャッキーの一尾をと、頑張った。

最初にアタったのは、いい型のチダイだった。
リリースデーなので、放流した。
次にアタったのは、ムニエルサイズのイトヨリダイだった。
これまた、リリース。
このところ、リリースデーでも、
思わぬ魚が釣れたりして、冷凍室は満タン。

次のコンタクトは、小型マダイだった。
糸が出るか出ないかのギリギリのファイトを見せてくれた。
ジャッキーかと期待したが、43cmだった。惜しい。

その後は、ぱったりとアタリが止まった。
魚信は続いていたが、
がつっ。と来ても、ぐいっと来ても、
すべては、プレコンタクトで終わっていた。
ニアコンタクトが一度あって、少しよろこんだこともあった。

短時間で済ませたかったが、三時間を過ぎてしまった。
今日は、眠気さえ感じていた。
船上であくびが出るのも珍しい。
本日は、10連続という稀に見る出港続きで、
疲れもピークに達している。
だが、どんなに疲れていようと、凪の海を見ると、
別腹バージョンで、モチベーションが上がるのである。

沖へ出たからには、本命を一尾。
というのが、釣三丸に課せられた使命である。
使命というと大げさだが、
課題達成の過程で学ぶことが多いので、
敢えて、自らに課している。

思い立ったポイントを転々とした。
が、どこもかしこも無しの礫(つぶて)。
プレコンタクトはあるが、食いが大変渋いのであった。
魚の勢いがないと、鈎には掛からない。

さて、四時間近くになったので、
そろそろタイムリミットである。
最終流しを掛け下がりのポイントですることにした。
60mから68mに下っていくポイントだった。
ヒラゴが何度かコンタクトしたことがある。
覚えているだけで、五度。
ここにはヒラマササイズは居ない。

がつん、ぐいーん。コンタクト。
ヒラゴらしき魚がアタックしてきた。
ギュイーーーン。ほうら、来た!
ギュイーーーン。
中層まで浮かせてもギュイーーーン。
だが、ヒラゴなので逃がすことはないだろうと、
引きを楽しんでいた。ギュイーーーン。

しばらくすると、魚体が見えてきた。
ほらね。ヒラゴ、・・・。と独り言をつぶやきかけて、・・・。
あれえ〜。マダイじゃあないか。



57cmのオスっぽいメスのマダイだった。
このサイズで、これほどまでに引きが強いのは初めてだった。
今日で、717回目の出船だったが、
どれだけ、経験を積んでも、
このような新しい事象に出くわす。
今回は、「ヒラゴマダイ」だった。
リリースすると、あっという間に海底へ姿を消した。

ともあれ、四時間をかけての課題解決に、
ほっと安堵の胸を撫で下ろした。



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