6月22日

コメント

5月、6月は例年になく凪が多い。
まるで退職前に戻ったかのように、ほぼ日勤。
土日も関係なく、いそいそと港へ向かう。
ブラックな個人事業主のようだ。
確かに、疲労感は拭えないのだが、
家から凪の海を見ると、心の中の事業主が、
「ほれ、出船して来い!」と叫ぶのである。

本日も早朝出勤。
珍しくPM2.5が飛んでなかったので、
気持ちいい海を愛艇が進んで行った。
大気汚染が無いと、こうも清々しいものか。

これで、釣れればいいのだが、
この凪の南風ではむずかしいだろうなあとつぶやいた。
やっぱりそのようだった。
A級ポイントの周辺を果敢に攻めるが、
ノーコンタクト。
いま、流行りのイトヨリダイくらいはアタらないものかと、
いじいじしていると、アタった。
小型が2尾。無事、リリースに成功。

このところ、釣れるのはメスが多くてマダイ不足なのだ。
以前は、メスでも切り身不足であればキープしたものだが、
この頃では、マダイへの愛情が更に深まり、
そういうこともほとんどしなくなった。
内蔵がはみ出してしまったものは仕方ないが、
自称世界一マダイをリリースする小漁師である。
資源保護には努めたい。

A級ポイントを何度流しても、ノーヒットだった。
しょうがない、放浪流しでもするかと、
そのまま船を流し続けることにした。
むろん、当てがあるはずがない。
GPSの行先を見ていると、実績の無いエリアへ進んでいた。
まるで、「今日は諦めなさいよ。」と伝えているかのようだった。

ところが、どっこい。
イトヨリダイが入れ食った。
良型も数多くコンタクトしてきた。
45cmという良型も数尾。
わずかな釣果音も聴くことができて、
なんだか、楽しい釣りになって来た。

結局、大小合わせて15尾ものイトヨリダイ。
これは、釣三丸の数の新記録だった。
パンパカパーンとファンファーレが鳴ったかのようだった。
釣って、鈎を外し、小型はリリース。
大型は〆て血抜きをしてキープ。
その後でデッキを水洗いして、鈎の点検。
4、5尾釣れると、交換していたので、
入れ食いが終わることには、
準備していた5セットの鈎のうち、4セット目を付け替えた。
仕掛けを落とせばすぐにコンタクトしてくるからたまらない。

せめて、キュイーーン。が一度くらいは欲しいなあ。
と思っていたら、キュイーーン。
しばらく巻いていると、また、キュイーーン。
よしよし、50cm級の本命だ。
と、想像していたら、ちがっていた。



ジャッキーなアオハタだった。
これは、「アオナ丼」の具材にしよう。
アオナは、アコウやタカバよりワンランク下と見られているが、
「丼」にすると、大差なく、旨い。

準本命を見たら、二時間を過ぎていたので帰りたくなった。
船は放浪流しを続けていて、
実績の無いポイントを通過中だった。
さて、もうひとフォールで終わるとするかと、
リールのクラッチを切った。
スルスルスルとほぼバーチカルに仕掛けは落ちて行った。

リトリーブ開始直後。
がつっと鈎掛かり。イトヨリダイより強烈だった。
キュイーーン。キュイーーン。
ぐい、ぐい、キュイーーン。
よし、やった。本命が来たぞとよろこんだ。



57cmの食べごろサイズの中型だった。
しかも、キープ可能なオス。
これは、かなりうれしい。

キロ級な根魚に本命とくれば、もう言うことは無い。
ていねいなキープ作業の後、納竿となった。




inserted by FC2 system