6月14日

コメント

いい凪。よぎる不安。
は、的中。Aポイントの深場では、
船が流れず、アタリ無し。

こんな時、よく行く所がある。
浅場の潮がよく通すエリア。
だが、そこは、二隻の籠網船が作業中だった。
怒号のようなエンジン音があれば、
マダイは警戒してタイラバを追わない。

二隻が仕事を終えるまでの二時間が、
長く長く感じられた。
プレコンタクトすらないのだった。
根魚くらいは、と思ってリトリーブを繰り返すも、
低条件の食い渋りの状況では、アタるすべもない。
本命は、エンジン音に警戒心を持つ。

ようやく二隻が遠ざかり、
満を持していたかのように、高速移動。

案の定、そこは潮が動いていた。
風は無く、完全なる上潮流れ。
風流れよりも条件が好いことが多い。
わくわくしながら、ハンドルを回す。
船流速度は1.4km前後と、ほぼ理想的。
20巻きの通常速度でリトリーブを続けていた。

イトヨリダイの入れ食いに遭遇した。
瞬く間に、良型ばかり四尾を釣り上げた。
どれも丸々太っていた。
夏場が産卵な彼らは、現在就餌活動に忙しい。
脂もよく乗って、美味しいのだ。
切り身を一晩寝かせて熟成させ、
刺身にすると、おどろくほど美味であることを以前確かめた。

ぐいっ。来た。
ぐいっ。追って来た。
ぐい、ぐい、ぐいん。乗った。
ギュイーーーーーン。と、最初のダッシュがあった。
おおっ、大ダイか。
と思ったが、重量感はたいしたことはなかった。
されば、良型くらいか。
まあ、いい。本命であることはまちがいない。
と、丁寧なポンピング&指ブレーキで、
魚体を海面に浮かせることに成功した。
美しいスリムなメスのマダイだった。



さすがはメスといったいい引きをみせてくれたが、
産卵後とあって、それは始めだけ。
すぐに、疲れてしまったようだった。
優しくリリースすると、穏やかに泳ぎ去って行った。
乙姫様によろしく!

本命一尾を確保したことに満足し、
この時点で三時間が経っていたので、
気持ち良く、納竿することにした。
イトヨリダイの切り身作業も待っている。

またしても、条件のちがいで、
こんなにも釣果が変わるのかと感心しきりの釣行だった。

0.0kmと1.4km。
陸上にしてみれば、1.4kmなど、
その速さで歩くことも難しいくらいだが、
海の上では、雲泥の差なのである。

釣三丸格言。
船動かざれば、魚(うお)釣れず。
流れをどん欲に探すべし。



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