ゲスト二名を乗せ、出港。 終日、南風が強く吹いていた。 潮ボケが多発しそうなので、浅場を丹念に探った。
今日は、イトヨリダイの良型がよくアタったが、 本命は、ぐっとは来るものの、 プレコンタクト止まりで、一度だけ、
ゲストにニアコンタクトがあったくらいだった。 条件は好くないが、渋くはなかったようだ。
いつかは来るだろうと、
やや深場に移動すると、大物らしき魚信があった。 ぐいっ。ぐいっ。とタイラバを追って来た。 掛かれ、掛かれと念じていると、
ぐいーん。コンタクト! ギュイーーーーーン。と一度激しくギアの響きが起こった。 よし、来た。と慎重にやり取りをする。
ギュイーーーン。ギュイーーーン。 なかなかの大物らしかった。 潮の抵抗で重い、重い。 浮かせるまでに随分と時間がかかった。
70cmのメスの大ダイだった。
単独釣行ならもちろんリリースだが、 今日は、ゲストのお土産に持ち帰ってもらうことにした。 〆て血抜きをし、神経締めに。
美味しく味わうには、処理は早い方がいい。
ゲストの一人は、今日で、乗船五回目だが、 未だ、本命を釣り上げたことがない。
今日釣らねば、本命ボウズの釣三丸新記録となる。 そうはさせまいと、あちこち移動したが、 なかなか、彼の竿に乗ってくることはなかった。
あと一時間で、納竿となる。 その時だった。 「来ました!」と、うれしい声を聞いた。 キュイーーン。キュイーーン。
ドラグも、そこそこに働いていた。 よーっしゃ!でかした。
竿を置いて、カメラを構え、 玉網ですくう瞬間を待っていた。
「ついに、やりました。大物を釣り上げました。」 と、解説を加えながらビデオカメラを回した。
彼にとって、人生初の本命。
60cmの良型だった。 ゲストが釣って、船長が、 これほどうれしかったことはなかっただろう。
初本命、おめでとう!
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