別荘にて、青年ゲストに、 釣三丸鯛ラバ釣法の講義をしたのち、 午前10時の遅い船出しとなった。 鯛ラバ釣法の実践編である。 実習時間は3時間。
いい実釣ができることを願っていた。
南西の風が強く、潮ボケが早かった。 20巻きリトリーブを5回すると、着底不能。
あまり条件としては良くなかった。 鯛玉にかかる潮の抵抗がかなり強かった。
時合いは二度やって来た。
一度目は、船長にジャッキーがコンタクト! 巻き取るのに時間が掛かったのは、 潮重りが強かったから。 47cmの美しいメスが姿を見せた。
アスタキサンチン色のマダイだった。
次にゲストに強烈なアタリ。 「巻けません。」と言っている内に、 リーダー切れとなった。
巨マサだったにちがいない。
二度目の時合いは、終盤にやって来た。 まずは、船長の竿に二回ほどプレコンタクトがあり、
「これは、釣れるよ。」と告げると、 ゲストの竿が大きく曲がり、 ギュイーーーン。ギュイーーーン。 と、慌てる程の釣果音が響いた。
「よし、大ダイだ。」と確信した。
船長は自分の竿を回収し、 やり取りを見守ることにした。 と、「あれ?軽くなりました。」
と、残念なひと言。
回収してみると、鈎が1本すっぽ抜けて、 タイラバ本体もパイプからすり抜けて、 跡形もなく消えていた。
大マサに、大ダイ。 大物を二尾逃して、釣法講座の実践編は終了した。 ゲストは、いい勉強になったと言った。
仕掛け作りにも気合いが入ることだろう。
船長も、過去何度も同じような苦い思いを繰り返しつつ、 釣三丸鯛ラバ釣法を確立していったのである。
次回は、無事フィニッシュすることを願って、 美しい島の海をあとにした。
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