5月13日

コメント

五日振りの出港となった。
丸四日の時化は心身に堪える。
三日までは何とかかんとか我慢できるが、
四日となると、精神衛生上もよくない。

さわやかな気分で港へ向かった。
ああ、海はいいなあ。
と、船を出したが、沖は時化。
回復を待って、近場でリーリングを続けた。
この間、コンタクト無し。
このところ、近場で掛かった試しが無い。

近場にマダイがいない訳ではない。
実績もそこそこあるのだが、
沖のポイントと比較すると、釣りをする船の数が多く、
釣りはしないまでも、かなりの船舶の通り道となっている。
「場荒れ」というのだろうか、そのような雰囲気がある。
定置網船の通路ともなっていて、
おこぼれを狙っているエソが多い。

二時間でようやく風が収まり、
白波がほとんどなく、いい状態になった。
風は真北から吹いている。
これもあまりいいとは言えないが、
南風よりましではある。
すかさず、沖のポイントを目指した。

今日はオールリリースデーなので、
大物を一尾釣り上げるまで頑張るつもりだった。
最初にイトヨリダイが掛かった。
次にチダイ、またイトヨリダイ、さらにチダイ。
なーんだ小物ばかりじゃないか。
と、不満を唱えていると、満潮前の潮が動いた。

20巻きして、フォールしていると、
スプールに変化が起こった。
シュルシュル。急いでハンドルを回すと、
ぐいん。ギュイーーーン。ギュイーーーン。
フォールにコンタクトしてきたのだった。
5月8日以来の釣果音だ。
あの時はヒラゴだった。

ギュイーーーン。は数回あった。
走りと重量感から、本命だと確信した。
大ダイか、それに近いだろうと予測した。

獲物はゆっくり浮かんできた。
向こうでぽっかりがあり、
婚姻色のマダイが姿を現した。



体長65cmの良型マダイだった。
このサイズのメスは大ダイ並みに引く。
というのがいつものパターンである。

海に浮かべると、元気よく帰って行った。
マダイの見送りは、リリースデーの愉しみでもある。
ブルーの星がちりばめられた背中が、
とりわけ美しく見えるのがいい。

ちょうど三時間が過ぎていた。
大物を掛け、釣果音も聴けたことだし、
明日も凪の予報だし、
本日は、これまでとしましょうか。



inserted by FC2 system